ビットコインは2024年には今の6倍に…アナリストがそう考える理由とは

• ファンドストラットによると、ビットコインの価格は2024年4月に予定されている｢半減期｣の前に18万ドルまで高騰する可能性があるという。

• また同社は、ブラックロックが申請中のビットコインETFによって、ビットコインの需要が大幅に高まると見ている。

• アメリカ証券取引委員会がブラックロックのビットコインETFを承認すれば、過去最大のETFローンチになる可能性がある。

投資調査会社ファンドストラット（Fundstrat）が2023年7月24日に発表したメモによると、ビットコインの価格は、2024年4月に予定されている｢半減期｣の前に、現在のレベルから521%上昇し、18万ドル（約約2520万円）に達する可能性があるという。

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ファンドストラットによるとビットコインの1日の需要は約2500万ドル（約35億円）で、これは1日のマイニング（採掘）報酬の約2500万ドルを同等だが、この状況はビットコイン上場投資信託（ETF）の取引が始まると変わるかもしれない。つまり、1日の需要がさらに1億ドル（約140億円）分増加する可能性があるとファンドストラットは考えている。というのも、2024年4月に迎える予定の｢半減期｣で1日のマイニング報酬が約1200万ドル（約17億円）分に削減されることと相まって、買い手と売り手の均衡を満たすにはビットコイン価格が大幅に上昇しなければならないからだ。

｢この（ビットコインETFの）ローンチにより、1日の需要は1億2500万ドル（約175億円）に達するが、1日の供給は2500万ドルに過ぎない。需要と供給を一致させるには、均衡価格が上昇しなくてはならない。ファンドストラットの均衡分析によると、2024年4月の半減期前の均衡価格は14万ドルから18万ドル（約1960万円から約2500万円）と試算されている。

半減期とはマイニング報酬を半分にすることで、ビットコインの供給が制限されて価格の上昇につながるため、ビットコインにとって好材料と見られてきた。

ファンドストラットのデジタル資産戦略の責任者であるショーン・ファレル（Sean Farrell）は、7月初めの顧客向けメモで、ビットコインのネットワークでは4倍から5倍の乗数効果を想定するのが妥当であり、｢これは、1ドルの需要が4ドルから5ドルの時価総額の増加をもたらすことを意味する｣と説明した。

資産運用大手のブラックロック（BlackRock）やフィデリティ（Fidelity）などが、ビットコインETFの承認申請をアメリカ証券取引委員会（SEC）に提出し、その返答を待っている。ファレルは、これが承認される確率は75％だと見ている。

｢（ビットコインETFは）新たな投資家を引き付け、ビットコインの需要を高めるだろう｣とファレルは言う。

そして、もし承認されれば、ブラックロックのビットコインETFは、ナスダック100指数に連動する｢QQQ ETF｣の記録を破り、過去最大規模のETFのローンチになる可能性があるとファンドストラットは述べている。QQQ ETFは、1999年3月のローンチ後、初年度で360億ドル（約5兆円）の資金を集めた。

ファンドストラットによると、いずれビットコインETFは、2300億ドル（約32兆2580億円）近い資産を保有する貴金属ETF市場を凌駕し、｢最終的に3000億ドル（約42兆円）超のカテゴリーになる可能性がある｣という。

そして、その需要の急増こそが、ビットコイン価格の高騰につながるだろう。

ビットコインの目標価格を10万ドル以上としているのはファンドストラットだけではない。7月初め、スタンダード・チャータード銀行（Standard Chartered）は、ポジティブなフィードバックループによって、2024年にはビットコインが12万ドルを超える可能性があると述べた。