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概要:ロシア中央銀行は21日、主要金利を1%ポイント引き上げ8.5%とした。昨年9月以降、7.5%に維持していたが、労働市場の逼迫、強い個人消費に加え、ルーブル安も物価押し上げ要因になり、1年余りぶりに利上げに踏み切った。
[モスクワ 21日 ロイター] - ロシア中央銀行は21日、主要金利を1%ポイント引き上げ8.5%とした。昨年9月以降、7.5%に維持していたが、労働市場の逼迫、強い個人消費に加え、ルーブル安も物価押し上げ要因になり、1年余りぶりに利上げに踏み切った。
ロシア中央銀行は21日、主要金利を1%ポイント引き上げ8.5%とした。
中銀は声明で「内需の拡大が生産拡大力を上回っている。背景には労働力の制約などがある」と指摘。粘着性のあるインフレ圧力が強まっており、年初からのルーブル安は「インフレ促進リスクを著しく増幅させている」と述べた。
市場では0.5%利上げ予想が大勢だった。ただ、直近の週間インフレデータの加速を受け、一部アナリストはさらに大幅な利上げもあり得ると予測を修正していた。
インフレ率は現在、中銀目標の4%をわずかに下回っている。
中銀は今回、年末のインフレ率予測を4.5─6.5%から5.0─6.5%に引き上げ、追加利上げの可能性を残していると述べた。
キャピタル・エコノミクスのチーフ新興国市場エコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は「予想を大幅に上回る1%ポイントの利上げはインフレリスクに対する政策当局者の懸念を強調する」と指摘。「今後の会合でこれほど積極的な金融引き締めが続くとは思わないが、少なくとも年内にもう1回1%ポイントの利上げが行われると予想している」とした。
ナビウリナ総裁は「インフレ圧力の高まりは主に需要によるものだ」とし、需要に供給が追いつかない分野として国内観光市場と自動車生産を挙げた。さらに、この需要が輸入を押し上げ、輸出の減少に伴うルーブル安を引き起こしているとした。
アルファ銀行のエコノミスト、ナタリア・オルロヴァ氏は6月9日の前回会合でもインフレ圧力が指摘されていたことから、今回の利上げは為替市場の状況に反応したものとの見方を示した。
ナビウリナ総裁によると、ルーブル安は著しいが、労働力不足と供給制約によって悪化した過剰需要が主因という。
中銀は今年の主要金利のレンジを7.9─8.3%と予想。従来予想の7.3─8.2%から引き上げた。
今年の成長率予想も0.5─2.0%から1.5─2.5%に引き上げた。
次回の政策会合は9月15日に予定されている。
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