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概要:米景気動向を調べるにしろ、金融政策の影響を検証するにしろ、今年の特筆すべき動きの一つは、起きたことではなく、むしろ起きなかったことだ。マクロ経済データと四半期銀行決算を通じて、われわれは過去2週間でこれに気付かされた。それは金利リスクがいかなる重大なクレジットリスクにもつながらず、不確実性は残るものの、トレーダーと投資家にうれしい安堵(あんど)をもたらした市場にとって重要な意味を持つ現象だ。
米景気動向を調べるにしろ、金融政策の影響を検証するにしろ、今年の特筆すべき動きの一つは、起きたことではなく、むしろ起きなかったことだ。マクロ経済データと四半期銀行決算を通じて、われわれは過去2週間でこれに気付かされた。それは金利リスクがいかなる重大なクレジットリスクにもつながらず、不確実性は残るものの、トレーダーと投資家にうれしい安堵(あんど)をもたらした市場にとって重要な意味を持つ現象だ。
起きなかったという全般的なテーマを反映する例を幾つか考えてみよう。
米連邦準備制度は数十年で最も集中的な金利サイクルとなる10会合連続の利上げを継続してきたが、労働市場は著しい減速を経験していない。月ごとの就業者数の伸びや失業率、賃金の伸びは驚くほどの強さが続いた
多くのエコノミストとウォール街のアナリストによる再三の予測に反し、米経済はリセッション(景気後退)に陥っていない
3月の銀行セクターの動揺で史上最大規模の米銀破綻が発生したが、他の地銀であろうと、高レバレッジのノンバンク金融機関(NBFI)であろうと、金融システム全体に影響は広がらなかった
トレーダーと投資家は国債市場の激しいボラティリティーに大きく不意を突かれることはなかった
さらに先週発表された米インフレ指標は、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の両方で予想より好ましく、米経済のソフトランディング(軟着陸)という見方を一層裏付ける数字となった。
ソフトランディング論は四つの仮説に支えられている。
インフレ率は今後一貫して直線的な低下が続く
連邦準備制度は今月より後は利上げを停止し、利下げに転じることで、リセッションを引き起こしかねない過度な引き締めを確実に回避する
タイムラグを伴う利上げ効果を吸収できる十分な強靱(きょうじん)さを米経済は備えている
銀行とNBFIのバランスシートは十分健全であり、手の届く借り換え手段を確保している
しかし、この見通しの実現は幾つかの要因に左右される。
インフレ:比較的良好なデータが続く3カ月になりそうだがその間、物品セクターについて予想されるディスインフレ傾向の反転が起きる前にサービスインフレの停止を観測することが肝心だ。
連邦準備制度:政策担当者らは2021年半ばや今年初めのような経済のヘッドフェイク(フェイント)に再びだまされることがないと確信する必要がある。
米経済:家計と企業は、タイムラグを伴う利上げ効果の吸収を可能にする基調的な強靱さを示すことが求められる。
金融安定:地銀は費用効果の高い十分な資金調達を維持しなければならず、高レバレッジのNBFIは金利が低く、流動性が潤沢だった時期のコミットメントに伴う損失を整然と吸収するか、借り換えが必要だ。
テクニカルの影響が強いため、今のところ市場はこれら四つの考察をほぼ無視してきた。これらの要因の正確な輪郭は興味深いことになお不確かだが、今後数カ月はファンダメンタル要因が再び注目されるようになる可能性が高い。
(モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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