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概要:債券投資大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はディストレスへの賭けで実績がある。約10年前に創業者のビル・グロース氏が同社を去った時の混乱も、金融危機後に割安になった住宅ローン債券への投資で築いた資産で乗り切った。
債券投資大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はディストレスへの賭けで実績がある。約10年前に創業者のビル・グロース氏が同社を去った時の混乱も、金融危機後に割安になった住宅ローン債券への投資で築いた資産で乗り切った。
不安定な資金フローとリターンという問題に見舞われている今も、同様の成功を繰り返したいと考えている。今回は金融業界の最新のブームであるプライベートクレジットを標的にしている。
ピムコの1620億ドル(約22兆4000億円)規模の代替投資事業を率いるジェイミー・ワインスタイン氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、同社がプライベートレンディングのチームを増強する中で今年、採用を加速させていると語った。高止まりする金利による大惨事に身構えるクレジット市場での機会を生かすためだという。
同氏は「金利が案件の引受時より高い水準にとどまる限り、借り手など一部の負担は増していくだろう」と述べ、市場が沸点に達しつつある状態を、「火にかけられている鍋」になぞらえて語った。
ピムコの親会社、アリアンツのオリバー・ベーテ最高経営責任者(CEO)も先月ブルームバーグに、不動産やプライベートクレジットなどの代替資産投資を増やす考えを示していた。
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着々と準備
ワインスタイン氏は「オルタナティブ事業全体で過去6カ月にリソースと人員を増やした」と述べ、「特に企業向け直接融資と資産ベース融資の分野で、われわれはプライベート戦略事業を徐々に拡大している」と説明した。
2023年のシリコンバレー銀行とシルバーゲート・キャピタルの破綻後に加速した銀行の融資縮小が、「意味のある機会」を生み出していると付け加えた。
高い手数料とリターンに引き付けられ、多くの資産運用会社がプライベートクレジットに参入している。高リスクの案件ではリターンが1桁台後半から10%台半ばにもなり得る。プライベートクレジットの市場は15年以降にほぼ3倍となり1兆5000億ドル規模に達した。ピムコは既にプライベート市場に2100億ドル超を投じている。
しかし、事態は近く悪化する可能性がある。プライベートクレジットファンドは変動金利ベースのローンをアレンジする。金利上昇で一部の借り手企業のバランスシートは崩壊するかもしれない。既存のプライベートクレジット案件の大半は、条件が少なくとも1年6カ月前に合意されており、当時は金利がゼロ付近だった。
ピムコのダン・アイバシン最高投資責任者(CIO)ですら、市場がリプライスするまでは「手を出さないように」と投資家に警告した。
それでも、10年以上前にグロース氏とアイバシン氏が利益率の高い住宅ローン担保証券投資に乗り出したのと同様に、ワインスタイン氏を含むピムコの指導部はプライベートレンディングや不動産、その他の代替資産のメルトダウンで利益を得られるよう着々と準備している。
機を待つ
ピムコのエマニュエル・ローマン最高経営責任者(CEO)は18年から、リセッション(景気後退)がもたらす機会について説いており、アイバシン氏は大方よりもハードなランディングを予想している。
ピムコは割安な機会が訪れた際に、積極的に大きな額を投資したいと考えている。モーニングスター・リサーチ・サービシズの債券担当ディレクター、エリック・ジェイコブソン氏は「リスクが絞り出された後の的確なタイミングで引き金を引かなければならない。彼らはまだその展開になるのを待っている」と話した。
ワインスタイン氏は19年にピムコに加わる前、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRに14年間在籍し、スペシャルシチュエーション投資部門を率いた経験もある。同氏はピムコで、企業のストレストあるいはディストレスト資産を運用するチームを特に強化してきた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト、チャールズ・グラハム氏は「アクティブな運用を必要として高いマージンを提供するような資産を、ピムコは見つけなければならない。それがプライベートクレジットのプラットフォームを構築する魅力だ」と話した。
支援戦略の先
ピムコは厚みのある顧客層を生かしてプライベートクレジットのあらゆる分野に参入する計画だ。銀行と資本市場が後ずさりする中で、PE投資会社や一般企業、不動産会社に貸し付ける直接融資も手掛けるが、重要なのはディストレスト状態にある資産への高リスクファンディングだ。ピムコは同業者に対し優位に立つため再編の専門家を集めてきた。
多くのダイレクトレンダーはバイアウトのための資金を貸し付ける事業を構築したが、買収後の企業が「うまく行かなくなった時に支援できる人材を含むチームを持っていない」とワインスタイン氏は指摘。「われはわれは最初から、そのためのチームを作ってきた」と話した。
ピムコはオルタナティブ事業に力を入れる中で、投資先企業のディストレスト債務を管理する「オペレーションスペシャリスト」を積極的に採用してきた。企業が困難に陥った時にはコントロールを確立する計画であることの表れだ。
ワインスタイン氏は「ディストレスト状態への支援戦略というだけではない。企業と直接関わる方針だ。そのための力をピムコで過去1年に積み上げてきた」と付け加えた。
「今、鍋はコンロの上でかなり熱くなっている」と同氏は結んだ。
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