ＡＩブームが後押し、ハイテク部門雇用５月に回復－サンフランシスコ

米カリフォルニア州サンフランシスコのテクノロジーセクターは数カ月にわたる人員削減の後、人工知能（ＡＩ）ブームにも後押しされ、５月は雇用が拡大した。

サンフランシスコ市と同市に隣接するサンマテオ郡で、テクノロジーセクターで雇用が５月に2800人増加したことが、市の最新統計で示された。

サンフランシスコ市のチーフエコノミスト、テッド・イーガン氏によれば、これは2022年後半に始まった人員削減の波以後、この地域が雇用の38％を取り戻したことを意味する。

イーガン氏は「大手テクノロジー企業を中心に株式市場が非常に好調で、特にサンフランシスコではそのことが雇用の先行指標となる傾向にある」と指摘。「大きな話題」となっているＡＩ業界が雇用増加の大部分を占めると同氏はみている。

Total Tech Sector Employment in San Francisco and San Mateo County

Source: San Francisco Office of Economic Analysis in the City Controller\'s Office

新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）期からの回復という点では、サンフランシスコは国内でも最悪の部類に入る。

セールスフォースやアルファベット、メタ・プラットフォームズなどベイエリアのテクノロジー企業は、パンデミック期に大規模採用を行ったが、金利の上昇が業界を直撃する中で22年には一転して削減に回った。

ただイーガン氏によると、テクノロジー業界でリモートワークが恒久的なトレンドになるにつれ、産業の成長は必ずしもオフィスの新規入居には結びつかない。

サンフランシスコのオフィス空室率は４－６月（第２四半期）に32％近くまで上昇し、過去最悪を記録したことをＣＢＲＥグループのデータが示している。