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クレディＳ絡みでヘッジファンドが利益、ゴールデンツリーは１億ドル
概要：ヘッジファンドのゴールデンツリー・アセット・マネジメントは、クレディ・スイス・グループがＵＢＳグループに緊急救済された後の数週間に約１億ドル（約144億4000万円）の利益を上げた。いわゆるその他ティア１債（ＡＴ１債）への時宜を得た投資が奏功した。
売られたＡＴ１債を割安価格で大量購入、数週間で価格は回復
一時は敬遠されたＡＴ１債、銀行破綻懸念後退で発行も再開
ヘッジファンドのゴールデンツリー・アセット・マネジメントは、クレディ・スイス・グループがＵＢＳグループに緊急救済された後の数週間に約１億ドル（約144億4000万円）の利益を上げた。いわゆるその他ティア１債（ＡＴ１債）への時宜を得た投資が奏功した。
ゴールデンツリーはクレディ・スイスの救済に伴い同行のＡＴ１債170億ドル相当が無価値になった後の数日に、さまざまな銀行のＡＴ１債を割安価格で約３億ドル相当購入した。事情に詳しい関係者が明らかにした。
ＡＴ１債は銀行が経営難に陥った時に資本に充当される高リスクの銀行債で、クレディ・スイスのＡＴ１債が無価値となったことを受けてＡＴ１債は全体的に売られ、１日として過去最大の下落を演じた。
ゴールデンツリーはそうしたＡＴ１債を額面１ドルに対して60－80セントで購入したと、関係者の１人が部外秘の情報だとして匿名を条件に述べた。
クレディ・スイス事件を受けた他のＡＴ１債の下落は行き過ぎだと考えたゴールデンツリーの読みは当たり、その後の数週間に同社が購入したＡＴ１債の価格は回復した。
３月の銀行危機では複数のヘッジファンドが大きな利益を上げた。マラソン・アセット・マネジメントとバルデ・パートナーズはクレディ・スイス債の取引で巨額の利益を得た。
一時は敬遠されたＡＴ１債だが、銀行破綻への懸念後退や中央銀行の利上げサイクルが終りに近いとの期待から世界的に発行が再開している。
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