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概要:[シントラ(ポルトガル) 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は26日、世界の主要中銀がインフレ率を目標に回帰させるまで時間がかかる可能性があるとしたほか、新たな金融不安はその過程を一段と長期化させかねないと述べた。
国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は26日、世界の主要中銀がインフレ率を目標に回帰させるまで時間がかかる可能性があるとしたほか、新たな金融不安はその過程を一段と長期化させかねないと述べた。4月14日撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz/File Photo)
[シントラ(ポルトガル) 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は26日、世界の主要中銀がインフレ率を目標に回帰させるまで時間がかかる可能性があるとしたほか、新たな金融不安はその過程を一段と長期化させかねないと述べた。
ポルトガルのシントラで開催された欧州中央銀行(ECB)の年次会合で「インフレ率が目標に回帰するには時間がかかりすぎる。総合インフレは大幅に緩和しているが、サービス業のインフレは高止まりしており、目標に回帰する時期はさらに遅れる可能性がある」と指摘。このような遅れは代償が大きくなるため、成長を阻害することは明らかだが、中銀は政策を引き締める必要があるとした。
また、問題は投資家がインフレの道筋を過度に楽観視し、経済成長への打撃をあまり想定していないことだと主張。このような予想は高金利が現在の想定以上に長引くような場合は特に的外れなものになるとした。
さらに、インフレ率の目標回帰が長期化すれば資産価格が修正され、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻やクレディ・スイス買収などのような金融不安を引き起こす可能性があると警告した。
中銀は物価安定と金融安定に関するリスクの双方を管理する手段を有すると主張してきたが、金融面でのストレスがシステミックな危機に発展する恐れがある場合には中銀の能力は限られているのが現実と言及。危機を回避するのは政府だが、政府の財政余力はかなり限られており、中銀は自らの政策が危機の引き金になるのを避けるためにインフレ率の低下をより緩やかにする必要があるかもしれないとし、「金融面でのストレスは、中銀の物価安定目標と金融安定目標との間に緊張をもたらす可能性がある。中銀は物価安定へのコミットメントを決して見失ってはならないが、システミックなストレスを回避するために、インフレ目標への回帰を多少送らせることは許容可能だ」とした。
それでも現時点では、政策の引き締めは十分ではなく、中銀はより持続的な物価上昇圧力を想定する必要があるとし、「金融政策の引き締めを継続し、コアインフレ率が明確な下降軌道に乗るまでは制約的な領域にとどまるべき」とした。
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