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概要:ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義氏は傘下の半導体設計会社アームの新規株式公開(IPO)を間近に控え、安堵のため息をついているに違いない。孫氏は最近まで、2016年に320億ドルで行ったアーム買収の元を取り戻せるか疑わしいと見られていた。最近の2つの動向によってこうした見方に変化が生じているのはほぼ間違いないが、この流れは長続きしないリスクもある。
[ロンドン 13日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義氏は傘下の半導体設計会社アームの新規株式公開(IPO)を間近に控え、安堵のため息をついているに違いない。孫氏は最近まで、2016年に320億ドルで行ったアーム買収の元を取り戻せるか疑わしいと見られていた。最近の2つの動向によってこうした見方に変化が生じているのはほぼ間違いないが、この流れは長続きしないリスクもある。
6月13日、ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義氏は傘下の半導体設計会社アームの新規株式公開(IPO)を間近に控え、安堵のため息をついているに違いない。3月6日撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
ロイターによると、米半導体大手インテルはアームが年内に米市場で予定しているIPOにアンカー投資家として参加する方向でSBGと交渉しており、この点がSBGにとって支えになりそうだ。背景には、インテルが自社向けのみではなくサードパーティー向けに半導体を製造することで製造能力をより有効に活用しようと画策している、という事情がある。インテルは4月、アームと提携して、インテルの工場がアームの設計に基づく半導体を生産できるようにする計画を発表した。インテルによるアームへの資本参加で両社の関係はさらに強固になり、孫氏はライバルになるかもしれないインテルが今やアームの成功に資金を投じている、と主張できる。
2つ目の、そしておそらくより重要な思いがけない幸運は、人工知能(AI)関連企業の株価急騰が続いていることだ。例えば米半導体大手エヌビディアは最近、時価総額が一時1兆ドルの大台を突破した。AI関連株高騰の効果はアームにも波及するに違いない。エヌビディアは2020年にソフトバンクからアームを400億ドルで買収しようと動いたが、その理由の1つはアームの基本的な半導体設計がAIや重い計算負荷を必要とするその他のアプリケーションにとって有用な点にあった。この買収計画は規制当局の反対に遭ったが、孫社長は投資家にIPOをアピールする際、間違いなく両社の関連を強調するだろう。
アナリストの平均予想に基づくと、エヌビディアの時価総額は今年の売上高予想の24倍となる。ジェフリーズはアームの今年の売上高を約30億ドルと予想しており、これに先の倍率を当てはめると負債を含めた評価額は700億ドル余りとなる。ブルームバーグによれば、これは孫氏の契約した銀行がIPOで達成したいと考えている評価額の上限にあたる。
とはいえ、孫氏と、アームに資金を投じるかもしれない投資家にとっては、AIブームが行き過ぎだったことが今後判明するというリスクがつきまとう。どう見積もってもエヌビディアの評価額は異常だ。主要指標であるフィラデルフィア半導体指数を構成する大手10社の株価は平均すると今年の売上高予想の10倍で取引されており、この数字に基づけばアームの時価総額は推計300億ドル。孫氏がこの金額を超えるには、熱狂的AIブームがずっと続くことが前提になる。
●背景となるニュース
*インテルはSBG傘下のアームが予定している新規株式公開(IPO)にアンカー投資家として参加する方向でSBGと話し合いを行っている。ロイターが12日、事情に詳しい関係者の話として報じた。
*ロイターの4月の報道によると、アームは年内にナスダックに上場し、80億─100億ドルの調達を目指す計画。
*インテルは4月、半導体受託生産部門がアームと提携し、アームの技術を使用する携帯電話向け半導体などをインテルの工場で生産できるようにすると発表した。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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