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概要:金融庁がLBO(レバレッジド・バイアウト)市場のすそ野拡大を模索している。3メガを中心に大手行に貸し手が偏っている現状に対し、リスクの分散化に加え、投資先の広がりにつながるセカンダリー市場などの発達に向け、金融機関との議論を進めている。
[東京 7日 ロイター] - 金融庁がLBO(レバレッジド・バイアウト)市場のすそ野拡大を模索している。3メガを中心に大手行に貸し手が偏っている現状に対し、リスクの分散化に加え、投資先の広がりにつながるセカンダリー市場などの発達に向け、金融機関との議論を進めている。
6月7日、金融庁がLBO(レバレッジド・バイアウト)市場のすそ野拡大を模索している。
<マレリ破綻に懸念>
金融庁総合政策局の屋敷利紀審議官は「リスクを適切に管理しながら、LBO市場への参加者を増やすために何ができるかを検討している」と述べた。
LBOで買収された自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が2022年に経営破綻した際は、一部の金融機関が多額の損失を被り、金融当局も懸念を有していたという。 屋敷審議官は「メザニン、エクイティ投資家を含めた資金提供者の厚みが増せば、日本企業の経営効率化・競争力強化に資するLBOが活性化するほか、現状、大規模案件でLBOローンの出し手が一部行に集中するリスクの低下にもつながる」と話し、3メガや政府系金融機関、大手生保と議論を行っていることを明らかにした。
金融庁の担当者は、マーケットの特性など個別行で対応できない部分については、当局も含めた幅広い関係者で議論することが必要だと指摘する。
<LBOデッドファンド>
市場のすそ野拡大に向けては、日本ではほとんどないセカンダリー市場やLBOローンファンドの発達などが有用となる。例えば米国では、大きな案件は銀行が組成するが、貸付債権を証券化したCLO(ローン担保証券)に対して生保や年金などが投資を行うなど、セカンダリー市場が成立している。
三菱UFJフィナンシャル・グループは4月、国内初のLBOデッドファンドを総額159億円で組成した。銀行・信託銀行共同で3年前から基礎検討を進めてきたという。三菱UFJ銀行ソリューションプロダクツ部の西川仁次長は「デッドファンドビジネスだけでなく、本邦LBO市場全体の活性化につながるもので、非常に意義深いと思っている。投資家のアペタイト減少局面においても、継続的な安定したLBOファイナンスの供給に繋がる」と期待を寄せる。
1号案件の組成について西川氏は、デッドファンドの良好なパフォーマンスを積み上げることで、次号ファンドレイズへの効果もあると指摘、「今回見送った人も投資に動くというサイクルが起きてくる」と見込む。2号、3号とより大きなサイズでのファンド組成も可能になり、銀行だけが支える市場ではなくなると予想する。
<事業の選択、継承で市場は拡大>
日本のLBO融資市場は、大企業による事業の選択と集中、後継者不足による中堅・中小企業の事業承継などを背景に拡大傾向が続くとみられている。
22年の金融行政方針には、国内のLBO融資について「健全な融資慣行の確立やリスク管理の高度化のために金融機関と対話を行う。そのなかで、LBO融資に係るリスクテイク主体のすそ野の拡大といった個別行のみでは対応が困難な課題についても整理し、考えられる解決の方向性や金融庁の関与のあり方について議論する」と記した。
前出の金融庁の担当者は、大手3行がリスクテイクに消極的になると一気に縮小してしまうような現状の日本市場に対して、米国では、昨夏以降、投資家が引いてしまったことで市場が縮小した例を挙げ「良いバランスはどこかというのは必要な議論になってくる」と指摘する。「何かボタンひとつ押せば素晴らしい金融市場が日本にできるということではない」とも述べ、金融機関と一緒に考えていきたいとしている。
金融庁によると、17年度に2兆円弱だった大手行の国内LBOローン残高は21年度に4兆円強と伸びている。
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