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概要:ニューヨーク外為市場でドルが上昇。2日発表された米雇用統計で雇用者数が予想以上に増加したことが追い風となった。しかし賃金の伸び鈍化が示されたことで、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測は強まった。
[ニューヨーク 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが上昇。2日発表された米雇用統計で雇用者数が予想以上に増加したことが追い風となった。しかし賃金の伸び鈍化が示されたことで、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測は強まった。
ニューヨーク外為市場でドルが上昇。2日発表された米雇用統計で雇用者数が予想以上に増加したことが追い風となった。2014年11月撮影(2023年 ロイター/Gary Cameron)
5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が33万9000人増と、市場予想の19万人増を大幅に上回った。一方、失業率は3.7%と7カ月ぶり水準に上昇。時間当たり平均賃金は前月比0.3%上昇、前年同月比4.3%上昇し、ともに前月から伸びが鈍化した。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.435%高の103.980と、1日としては5月中旬以来の大幅な伸びとなる勢い。
しかし週足では、ドルは0.2%下落し、5月上旬以来の大幅な下げを記録した。
アムンディUSの債券・為替戦略ディレクター、パレッシュ・ウパディヤ氏は「米連邦準備理事会(FRB)当局者は最近、6月に利上げを見送り、7月に利上げを検討する可能性を示唆していたが、雇用統計の非農業部門雇用者数の数字を見て後悔した可能性がある」と述べた。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク チャンドラー氏は、FOMCを控えたブラックアウト(発言禁止)期間に入ったため、雇用統計に対する当局者の見解やガイダンスを見極めるのは困難と指摘した。
金融市場が織り込む6月会合での利上げ確率は現時点で約29%。週初には70%近くとなっていた。
米上院は1日、債務上限停止法案を63対36の賛成多数で可決。懸念されていたデフォルト(債務不履行)を土壇場で回避されたものの、逃避先としてのドルの投資妙味は薄まる見通し。
ただ、格付け会社フィッチは、デフォルトが回避されたものの、米国の「AAA」格付けに対する「ネガティブウォッチ」を維持すると明らかにした。
ドル/円は今週0.8%上昇し、週間としては5月中旬以来の大幅な上昇率を記録した。
ユーロ/ドルは終盤の取引で0.45%安の1.07135ドル。
豪ドル/米ドルは0.59%高の0.661米ドル。オーストラリアの独立した賃金設定機関フェア・ワーク・コミッション(FWC)が、生活費高騰を受けて7月1日から最低賃金を5.75%引き上げると発表したことを受け、最大0.93%高の0.663米ドルと、5月24日以来の高値を付ける場面もあった。
ドル/円 NY終値 139.94/139.97
始値 138.89
高値 140.07
安値 138.75
ユーロ/ドル NY終値 1.0706/1.0710
始値 1.0766
高値 1.0770
安値 1.0706
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