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概要:[18日 ロイター] - 米国の銀行破綻やスイス金融大手クレディ・スイスの経営不安を受け、銀行業界幹部の一部から、米連邦準備理事会(FRB)にいったん利上げの手を止めるよう要望する声が出てきた。 投資
[18日 ロイター] - 米国の銀行破綻やスイス金融大手クレディ・スイスの経営不安を受け、銀行業界幹部の一部から、米連邦準備理事会(FRB)にいったん利上げの手を止めるよう要望する声が出てきた。
投資家は現在、FRBが21─22日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げる確率をなお60%織り込んでいる。しかし複数の業界幹部は、まずは金融の安定を優先してほしいと訴える。
投資銀行ラザードのアドバイザリー部門最高経営責任者(CEO)を務めるピーター・オルザグ氏は「金融安定には迅速かつ強力に、物価安定には段階的かつゆっくり対応してもらいたい」と語り、FRBは情勢次第でいつでも再開できる態勢を維持しつつ利上げを休止すべきだと力説した。
過去1年でFRBはインフレを抑えるため、1980年代以降で最も急速に利上げを進めてきた。他の主要中央銀行もこれに追随し、欧州中央銀行(ECB)は直近の理事会で50bp利上げに踏み切ったばかりだ。
ただ長年続いた超金融緩和局面の後やってきた金利の急上昇は、世界の金融市場や銀行業界に波紋を広げつつある。米国ではシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が相次いで経営破綻し、他の幾つかの銀行も重圧を受けている。クレディ・スイスは当局の肝いりでようやく同国のUBSと合併することが決まった。
こうした銀行セクターの動揺は資産価格に影響を及ぼし、安全とされる米長期国債には資金が殺到して利回りが大きく低下(価格は大幅上昇)。米国株は乱高下に見舞われた。
<待つリスク>
市場関係者の中には、利上げ休止期間が長引けば、物価上昇が再び加速しかねないと懸念する向きもある。
実際最近の米経済指標には、FRBがインフレを制御できたと信じるに足る材料はほとんど見受けられない。2月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は6%と、FRBの目標の3倍近い伸びだし、雇用増加と賃金上昇の相当なペースダウンはその兆しがやっと出始めたに過ぎない。
オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、ボブ・シュワルツ氏は「銀行の苦境は確かに注意を引くだろうが、われわれの考えではこれはシステミックではなく、FRBが資金供給制度で抑え込める流動性の問題という側面が強い」と分析した。
それでもシュワルツ氏は、利上げに際して読み切れないのは市場の反応だろうと付け加えた。
サウス・ストリート・セキュリティーズのジェームズ・タバッキ氏は、FRBが足元で4.5─4.75%の政策金利を最終的に6%超まで引き上げる必要があるとみており、「インフレタカ派」を自称している。
ただ「1カ月様子を見て『われわれは市場が落ち着く姿を目にしたい』と表明したところで、何か痛手があるのだろうか」と問いかけ、FRBは今回は利上げに動かないのが得策だと提言した。
<二律背反>
ラザードのオルザグ氏によると、今のように長期の予想物価が安定している限り、FRBには時間的な余裕がある。
また物価上昇には、新型コロナウイルスのパンデミックに起因するサプライチェーン(供給網)の混乱などの影響が尾を引いている面もある。
オルザグ氏と国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、ロビン・ブルックス氏は共同執筆した最新の論文で、昨年第4・四半期のコア個人消費支出(PCE)物価指数上昇の30─70%は製品出荷の遅れに伴う要因で説明できると指摘。これらの影響は次第に減衰し、年内には前年との比較の関係で物価押し下げ要因に転じるとの見通しを示した。
アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トーステン・スロク氏は18日のノートで、最近の銀行セクターの窮状によって既に金融環境は引き締まりつつあり、この1週間の動きは150bpの利上げに相当すると話す。「つまり過去1週間で金融環境は、景気のより急激な減速リスクを高めるほど引き締められた」という。
ブラックロックのストラテジストチームは、過去1週間の不安ムードを経て市場は急激な利上げがもたらしたダメージをはっきり認識し、景気後退(リセッション)を織り込んでいると主張した。
同チームは、インフレとの戦いと経済活動および金融の安定を守るという中銀にとって二律背反的な命題がはっきりと目の前に突き付けられていると述べた。
(Paritosh Bansa記者、 Ira Iosebashvili記者)
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