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概要:(文中の余計な文章を削除して再送します。) [ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、上院銀行委員会で行った証言で、最近発表された堅調な経済指標を受け、金利を
[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、上院銀行委員会で行った証言で、最近発表された堅調な経済指標を受け、金利を従来の想定以上に引き上げる必要がある公算が大きく、入手される情報「全体」がインフレ抑制に向け一段の厳しい措置が必要であることを示唆すれば、より大幅な措置を講じる用意があると表明した。
パウエル議長は半期に一度の議会証言で、「最新の経済データは予想以上に強く、最終的な金利水準が従来の予想よりも高くなる可能性が高いことを示唆している」と述べた。
指標が示す予想外の強さの一部は暖冬や他の季節的要因の影響による可能性があるとしつつも、インフレ抑制に向け一段の取り組みが必要であることを示している可能性があるとFRBは認識しているとし、利上げ幅をこれまで見込まれていた0.25%から拡大する可能性を示唆。「データ全体が引き締めペースの加速を正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある」と述べた。
1月のインフレ率が予想外に急上昇したことが明らかになってから、パウエル議長が発言するのは初めて。2月1日の会見で改めて述べていた「ディスインフレ・プロセス」が順調に進んでいないことを明確に示した。
<驚くほどタカ派的>
また次回会合で発表される金利見通しで、政策当局者が示すターミナルレート(政策金利の最終到達点)が引き上げられるかもしれないと言及。会合までに重要な経済指標が発表される予定だが、「これまで見てきたデータはわれわれが書き示す最終的な金利が12月時よりも高くなる可能性を示唆している」とした。
FRBが昨年12月に公表した最新の金利・経済見通しによると、FRB政策当局者19人の2023年末の政策金利の予想中央値は5.1%。9月時点では4.6%だった。
トレーダーXのマーケットアナリスト、マイケル・ブラウン氏は議長証言について「驚くほどタカ派的だった」との見解を示した。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイント利上げが視野に入った今、10日に発表予定の雇用統計が強ければ「ターミナルレート(利上げの最終到達点)6%を求める声」が高まり、12月時点のFRB当局の予想より1%ポイント近く高くなる可能性が高いと指摘した。
<物価2%回帰に時間必要>
インフレについては、昨年のピークから「鈍化している」としながらも、「2%に回帰させるプロセスには時間がかかり、スムーズな道のりとはならないだろう」とした。
企業の利益水準がインフレを押し上げたかとの質問には「イエス」と回答。サプライチェーン(供給網)に関する問題が米インフレ急伸の大部分を占めたとの見解を示した。
さらに、失業率は1969年以来の低水準である3.4%にとどまり、賃金上昇圧力は強く、FRBの政策効果の大半が依然経済に波及していない可能性を指摘。物価安定の回復に向け、物価上昇が続くサービス部門の「インフレ鈍化を確認する必要があり、労働市場の状況が一部軟化する可能性が非常に高い」と述べた。
ただ議長はその後の質疑応答で「インフレ率低下を目的とした利上げで意図的に失業率を上げようとはしていない」と言明。労働市場はリセッション(景気後退)が近いことを示唆しておらず、大量の失業を伴うことなく2%へのインフレ回帰が可能との見解を改めて示しながらも、物価安定と雇用の最大化というFRBの2つの使命はある時点で対立する可能性があるとし、物価安定は「非常に遠い」ことを指摘した。
一方で、FRBが2%のインフレ目標の変更を検討することはないと断言。「インフレ目標の堅持が非常に重要」とし、他の中銀が順守している「世界的に合意された」目標は、インフレのあるべき姿について国民の期待を固定するのに有効な手段との認識を示した。
また議長は議会に対し、連邦債務上限を引き上げ、行動を起こさなかった場合の予測不能な結果を避けるよう呼びかけ。「議会はまさに債務上限を引き上げる必要がある。もしできなかった場合の結果は予測することが難しいが、とんでもないことになりかねない」と述べた。
銀行部門の気候変動リスクに関する評価においてFRBが果たす役割については、狭いながらも適切としながらも、FRBが気候変動に関する政策当局者になることは見込んでおらず、「独立機関として適切ではない」とした。
このほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた在宅勤務の広がりに伴い「主要都市のオフィススペースの稼働率が著しく低下」し、商業不動産セクターは課題に直面しているが、同セクターへのエクスポージャーが高いのは小規模の銀行で、大手金融機関はそれほど大きくないとし、金融システムへの影響について重要視しなかった。
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