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概要:アメリカ連邦準備制度理事会のパウエル議長は、インフレと戦うためには、利上げは不十分であるよりも、やり過ぎるぐらいの方がよいと述べました。
2023年2月1日、ワシントンDCで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後に記者会見を行うジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長。
Kevin Dietsch/Getty Images
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は2月1日、0.25%の利上げを発表した。12月から連続して上げ幅が縮小されたことになる。
ジェローム・パウエルFRB議長は、金融引き締めは継続するとし、インフレ対策としての利上げは不十分であるよりも、やり過ぎるぐらいの方がよいとの考えを示した。
つまり、景気後退の懸念が続く中、アメリカ人は今年もさらなる引き締めに耐えることになる。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げを一時停止する前に、インフレとの戦いがうまくいっていることを確認したいと考えているようだ。
2023年2月1日、FRBは0.25%の利上げを発表した。利上げのペースは2022年12月の0.5%からさらに減速する。これは、アメリカがパンデミックから回復しつつあることが、インフレ率の鈍化(12月の前年比で6.5%の水準)や経済成長のデータに示されており、それにFRBが対応しているということであり、インフレ水準をパンデミック前の2%に戻そうというFRBの努力の現れでもある。
しかし、だからといってFRBが物価を抑えるための引き締めを終えたわけではなく、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長は記者会見で、インフレ対策としての利上げは不十分であるよりも、やり過ぎるぐらいの方がよいという考えを示し、次のように述べた。
「不十分なことしかせず、6カ月か12カ月後に、実はもう少しだったけれどうまくいかずにインフレが戻ってきたら、また元の状態に戻らなければならなくなる。そして今度はインフレ予想が揺らぐことを心配するというリスクを懸念している。もちろん、過剰に引き締める動機も願望もないが、やりすぎてインフレが予想より早く収まってきたと感じたら、それに対処する手段はある」
2022年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、2023年の利下げが適切と考える参加者は1人もいなかったと記されている。パウエル議長はその考えを改めて示し、2023年中に「あと2回」利上げすることが正当だと述べた。
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つまり、アメリカ人は今年もある程度、経済的苦痛を味わうことになりそうだ。それが景気後退につながるかどうかは、まだ分からない。Insiderが以前報じたように、利上げのような金融政策の成果を消費者が実感するまでには時間がかかることから、パウエル議長は利上げ幅を決定する際にそうした時間差を考慮に入れていると述べていた。
消費者が政策の影響を感じるのは、車を買うために融資を受けたり、クレジットカードを作ったりする際に金利の高さを目の当たりにする時だろう。労働市場が逼迫した状態のまま、その金利を上げ続けると、景気後退のリスクを増幅させることになる。
また、ジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官は1月下旬に、経済データが上向きの状態を示しているからといって景気後退のリスクを軽視するようなことがあってはならないと述べている。引き締めの継続がそのリスクを悪化させると懸念する民主党議員もいる。
マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員は2日、「インフレを沈静化させたいが、それは飛行機を墜落させずに着陸させるということだ」とツイートした。
「パウエル議長は利上げを一時停止し、数百万人を失業させることなくインフレと戦うという、二重の使命を思い出すべきだ」
それでも、パウエル議長が以前から述べているように、インフレとの戦いは時間がかかる。そして、彼は手綱を緩める前にきちんと仕事ができたことを確認したいのだ。
「ここで確実性を求めるのは適切ではないと思う」とパウエル議長は述べている。
「インフレを予測するのは難しい。早く沈静化するかもしれないし、もっと時間がかかるかもしれない。我々の仕事はインフレ率を目標値に戻すことであり、そうするつもりだ。しかし勝利を宣言し、ゲームに勝ったというシグナルを送ることに関しては慎重でありたい。まだ先は長いからだ」
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