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概要:日銀が2022年12月19―20日に開いた金融政策決定会合では、2%物価目標を巡り、1人の委員が「消費者物価指数(CPI)上昇率で表現した数字をどこまで厳密なものとして扱うべきか、議論の余地があるのではないか」と述べていたことが明らかになった。一方で、別の1人の委員は「目標値の修正は目標を曖昧にし、金融政策の対応を不十分なものにする恐れがあるため、適当でない」との見解を示した。
日銀が2022年12月19―20日に開いた金融政策決定会合では、2%物価目標を巡り、1人の委員が「CPI上昇率で表現した数字をどこまで厳密なものとして扱うべきか、議論の余地があるのではないか」と述べていたことが明らかになった。
[東京 23日 ロイター] - 日銀が2022年12月19―20日に開いた金融政策決定会合では、2%物価目標を巡り、1人の委員が「消費者物価指数(CPI)上昇率で表現した数字をどこまで厳密なものとして扱うべきか、議論の余地があるのではないか」と述べていたことが明らかになった。一方で、別の1人の委員は「目標値の修正は目標を曖昧にし、金融政策の対応を不十分なものにする恐れがあるため、適当でない」との見解を示した。
日銀が23日、12月の決定会合の議事要旨を公表した。岸田文雄首相は新しい日銀総裁決定後に政府・日銀の共同声明の見直しの是非を新総裁と議論する方針を示しており、日銀ボードメンバー内の物価目標を巡る「温度差」は今後、共同声明見直しの議論に影響する可能性もある。
ある委員は、現時点では金融緩和の継続が適当だが「いずれかのタイミングで検証を行い、効果と副作用のバランスを判断していくことが必要だ」と指摘した。
<長期金利の変動幅拡大、政府出席者も理解>
12月の決定会合では、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度からプラスマイナス0.5%程度に拡大することを決めた。多くの委員は、10年ゾーンで価格形成にゆがみが生じており、年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定といった点で「債券市場の機能度が低下している」と指摘した。「社債発行時に金利目線が定まらず、投資家の購入意欲の低下やスプレッドの上乗せを招いているという指摘も聞かれている」と1人の委員が述べた。
ある委員は、イールドカーブを全体として低位に安定させるべく「全年限で国債購入額を増額したうえで、状況に応じて機動的な買い入れを実施することが適当だ」と指摘。このことは「金融緩和の持続性強化につながる」と話した。
複数の委員は、長期金利の変動幅を拡大した場合でも、インフレ予想の上昇もあって「実質金利の低下を通じた強力な緩和効果が続く」との認識を示した。
2日目の決定会合では、政府出席者からの申し出で午前10時51分に会合が中断、11時28分に再開した。財務省や内閣府の出席者は長期金利の変動幅拡大などの議論について「物価目標を実現する観点から、より持続的な金融緩和を実施するためのものと受け止めている」と発言した。
(和田崇彦)
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