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概要:仮想通貨やWeb3関連企業にとって波乱の1年となった2022年。2023年にはどのようなトレンドが来るのでしょうか。予想される業界動向をVC13社に聞きました。
2023年、クリプト関連の業界ではどんなトレンドが主流になるだろうか?
Unique Nicole/Getty Images
2022年は仮想通貨(暗号資産)とWeb3関連の企業にとって激動の一年となった。業界の熱狂的支持者らでさえ、その欠点について厳しい現実を認めざるを得ない状況だった。
しかし、Web3に何十億ドルも投資してきたベンチャーキャピタル(VC)の多くは、ブロックチェーン技術の可能性を信じている。2022年の仮想通貨の暴落は痛手ではあったが、短期的な利益を求める投機筋を一掃する効果があったと彼らは言う。そしてついに、真っ当な製品やサービスを開発するスタートアップが輝く時が来たのだ、と。
マイティ・キャピタル(Mighty Capital)の創業者兼マネージングパートナーのSCモアッティ(SC Moatti)は、次のように語る。
「我々はブロックチェーンに倍賭けしており、その方面に積極的に舵を切っています。優れた企業がこれまで以上に強くなって、この調整局面を抜け出してくると確信しています」
Insiderは、暗号資産分野に投資している13のVCに、2023年に来そうな業界トレンドを尋ねた。彼らの予測は次のとおりだ。
少なくとも2023年上期は資金調達の低迷が続く
仮想通貨界隈の“冬の時代”はもうしばらく続きそうだ。
Martin Schutt/Picture Alliance/Getty Images
仮想通貨への投資は2022年来減少しており、それは2023年上期も続く可能性が高いと話すVCは複数にのぼる。
コインファンド(CoinFund)のベンチャー投資責任者、デービッド・パクマン(David Pakman)は、次のように語る。
「2022年は、仮想通貨エコシステムの自傷行為といえる事態が生じた非常に困難な年だったことは間違いありません。そのことはすでに、機関投資家による仮想通貨への投資減速に表れています」
しかし、2023年下期にはVCも仮想通貨とWeb3への投資を再加速させると見る者もいる。レースキャピタル(Race Capital)のパートナー、エディス・ユン(Edith Yeung)は、8月から資金調達が活発化すると予想している。
マインドセット・ベンチャーズ(Mindset Ventures)のパートナーで、VC3 DAOの共同創業者であるジュールズ・ミラー(Jules Miller)も、「弱気相場の常で、今のうちに投資しておいて事態をうまく切り抜けられれば、桁外れのリターンが得られるはず」と話す。
Web3が大企業の間で広く採用される
大手金融機関の間でもWeb3に参入する動きが広がっている。
William Barton / Shutterstock.com
JPモルガン(J.P. Morgan)やKKRといった金融企業は、すでに仮想通貨とWeb3を受け入れる兆しを見せている。その傾向は2023年に加速する可能性が高いと、VCであるA100xのマネージングパートナー、ニサ・アモイルズ(Nisa Amoils)は言う。
また、規制が強化されれば、より多くの金融機関が安心して仮想通貨事業に参入できるようになるだろうと話すのは、ブロックチェーン企業アバ・ラブズ(Ava Labs)の社長で、その投資部門であるブリザード(Blizzard)を率いるジョン・ウー(John Wu)だ。
「大手金融機関やリテールバンクがこぞってブロックチェーンで実験をするようになるでしょう」(ウー)
ツー・シグマ・ベンチャーズ(Two Sigma Ventures)のパートナー、ダン・アベロン(Dan Abelon)は、B2CのインターネットブランドがWeb3事業に参入する流れは2023年も続くと見ている。
「最近レディット(Reddit)やインスタグラム(Instagram)がしてきたように、Web3をメインストリームにするための実験的な動きが広まっているのを、期待感を持って見ています」(アベロン)
マイティ・キャピタルのモアッティは、Web3企業がBtoBソフトウェアに進出することも予想されると話す。
「企業の生産性を向上させ、コスト削減につながるアプリが人気を集めると見ています」(モアッティ)
新規トークンのバブルは完全にはじけた
2022年は新規トークンの淘汰が進んだ。
Lauren DeCicca/Getty Images
仮想通貨とWeb3に対して強気な姿勢を見せる投資家でさえ、現在の仮想通貨の“冬の時代”につながった市場の行き過ぎを認めている。未熟なスタートアップ企業がトークンをローンチしようと殺到したのもその一つだ(それらトークンの価値は2022年に大暴落した)。
Insiderが取材したVCたちは、こうしたトークンの多くは軒並み破綻し、2023年のローンチはかなり少なくなる可能性が高いと話す。
「流通しているコインの約8割は廃れるでしょう。まあ、その大部分が投機的なものでしたから、業界にとってはいいことですね」(ウー)
同様に、投資家らが仮想通貨業界のデューデリジェンスとコーポレートガバナンスをより重視するようになったため、ディールを検討する際により慎重にトークンを見るようになるだろうと、VC3 DAOのミラーは言う。
NFTは名を変えて復活?
NFTはクリエイターの新たなマネタイズ手段として広く受け入れられている。
Katie Canales/Insider
アルトコインと同様に、NFTも過去1年間、バブルと破綻のサイクルを繰り返してきた。複数のVCは、猿のアバター画像(注:2021年4月から販売が開始されたNFTコレクション「ボアードエイプ(Bored Ape Yacht Club)」のこと)の目新しさは失われたかもしれないが、NFTは他の形で繁栄する可能性があるとしている。
M13のパートナー、ラティフ・ペラチャ(Latif Peracha)によれば、レディット、チケットマスター(Ticketmaster)、スターバックス(Starbucks)といった企業は、必ずしも「NFT」と称してはいないが(レディットはNFTを「コレクターズアバター」と呼んでいる)、今もなおNFTで実験を続けているという。
「NFTは別の形で再登場すると考えています。その時にはもうNFTとは呼ばれていないかもしれませんが」(ペラチャ)
モアッティはその理由を、アーティストがデジタル作品を販売することで収入を増やせる可能性は依然として魅力的だから、と説明する。
「クリエイターにしてみれば、NFTは自分の作品をマネタイズする新たな手段になりますからね」(モアッティ)
ストラックキャピタル(Struck Capital)の創業者兼マネージングパートナーのアダム・ストラック(Adam Struck)は、不動産がNFTの次の大きなユースケースになる可能性があると指摘する。ルーフストラック・オンチェイン(Roofstock onChain)などの企業では、物件購入や融資を円滑にするために不動産物件向けにトークンを作っている。
中央集権的な仮想通貨取引所は終焉を迎える
2022年の仮想通貨大手の破産を受け、2023年には規制が強化されると見られている。
Tom Williams/Getty Images
2022年には仮想通貨大手の破産が続いた。これを受けて、2023年には規制当局による取り締まりが強化されるとVCは見ている。この規制により、仮想通貨を扱う金融機関の構造は変貌する。
「2023年には、中央集権的な仮想通貨関連企業の正体がより多くの業界関係者の間で明らかになってくると思いますよ。つまり、旧来型の、規制の緩いフィンテック企業だということが」と、ツー・シグマ・ベンチャーズのプリンシパル、アンディ・カンパン(Andy Kangpan)は言う。
レスティブ・ベンチャーズ(Restive Ventures)のマネージング・パートナー兼共同創業者のタイラー・グリフィン(Tyler Griffin)も同様に、「規制されていない中央集権的な取引所は死んだ」と話す。
カンパンは、分散型金融(DeFi)の勢いが増すと予想している。DeFiは、従来型の銀行を通さずにローンなどの金融商品を顧客に提供することを旨とする。
だが異論もある。
「私の考えでは、DeFiはエキサイティングで、今後数年間は多くのイノベーションを推進するだろうが、最終的に実用に至ることはないだろう」とモアッティは言う。
Web3ソーシャルメディアとユニバーサル・インターネットIDが登場する
2023年はWeb3型のソーシャルメディアの台頭が期待される。
Getty Images
イーロン・マスク(Elon Musk)によるツイッター(Twitter)買収をめぐる騒動をきっかけに、新たな巨大ソーシャルメディアが登場する可能性が取りざたされている。
自分のオンラインデータに対する自主権強化を求める声が増しており、これがWeb3ソーシャルメディア普及のきっかけになるとアバ・ラブズのウーは見ている。
「Web2型のソーシャルメディアはより厳しい目で精査され、Web3型のネイティブ・ソーシャルメディア・プラットフォームが市場シェアを獲得するようになるでしょう」(ウー)
シャイン・キャピタル(Shine Capital)のパートナーのイーサン・デイリー(Ethan Daly)、ハンナ・グレイ(Hannah Grey)の創業パートナーであるジェシカ・ペルツ・ザトゥルーブ(Jessica Peltz Zatulove)、A100xのアモイルズらは、インターネット上で自分の身元や資格を証明できるWeb3サービスの人気が高まると予想している。
「オンチェーン認証が登場すれば、コミュニティメンバーやバーチャルワーカーの資格や評判の真正性を確認し、より広範な信頼関係を築くことが可能になります」(ザトゥルーブ)
クライメートテックやWeb3ゲームにも注目が集まる
ブロックチェーン技術を気候問題に応用する動きも広がりつつある。
Getty
クライメートテック(気候変動対策にフォーカスしたテクノロジー)は2021年ごろから本格的に投資家らの注目を集め、ユニオン・スクエア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)などがこの分野に特化したファンドで資金調達をした。
また、仮想通貨保有者の二酸化炭素排出量を相殺する技術など、ブロックチェーン技術を気候問題に応用しようという企業も出てきている。マーキュリーファンド(Mercury Fund)のプリンシパル、サマンサ・ルイス(Samantha Lewis)は、この傾向は2023年も続くと話す。
「気候変動の話題はどこでももちきりです。我々が必要としているものの多くを、Web3は解放してくれるのです」(ルイス)
2023年に盛り上がりを見せる条件が整っているもう一つのセグメントとして、ルイスをはじめ複数のVCがWeb3ゲームを挙げる。ゲーマーはすでにバーチャルグッズを買い慣れており、NFTなどWeb3アプリに適していると、パクマンは言う。
「目下、膨大な数のエキサイティングなWeb3ゲームが制作されているところです」(パクマン)
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