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概要:米労働省が12日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比6.5%上昇した。伸びは11月の7.1%から鈍化し、2021年10月以降で最小となった。
[東京 13日 ロイター] - 米労働省が12日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比6.5%上昇した。伸びは11月の7.1%から鈍化し、2021年10月以降で最小となった。
米労働省が1月12日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比6.5%上昇した。写真は米ロサンゼルスのスーパーで2022年6月撮影(2023年 ロイター/Lucy Nicholson)
市場への影響について、関係者に見方を聞いた。
●円高進行なら株価一時2万6000円割れも
<三井住友トラスト・アセットマネジメント チーフストラテジスト 上野裕之氏>
結果が想定通りだったわりに、為替が対ドルで円高に振れた印象だ。CPIの結果だけでは日本株への大きな影響はないが、日銀が大規模緩和の副作用を点検するとの前日の報道もあり、さらに円高が進行した場合は輸出関連銘柄には逆風となるだろう。
目先1カ月の日経平均株価のコアレンジは2万6000円台前半を想定しているが、為替の状況によっては一時的に2万5800円程度まで下げる場面もある得る。ただ、2万6000円を下回れば買いが入るとみられ、また、それ以上に下げる要因も見当たらないので、下値は限定的とみている。
今回のCPIでは住宅費以外の項目が鈍化傾向にあることが確認されたほか、12月米雇用統計も賃金インフレの減速を示しており、2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は0.25%になると予想している。
●春先以降はドル高/円安トレンドへ回帰
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<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>
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次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)に利上げ幅が縮小されるとの見方やターミナルレート(利上げ最終到達点)がいずれ引き下がるとの見方から、ドル売り圧力が強まった。日銀の政策修正を巡る思惑から円買いも重なった。
今後は米国の利上げ停止や利下げも視野に入っていくるとみられる上、日銀のマイナス金利解除を巡る思惑も強まりやすい。市場の織り込みが進んでいないことから、春先までにドル/円は一段と下押し圧力がかかるだろう。
ただ、それ以降は再びドル高/円安に回帰すると予想している。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを緩めることによりインフレは高止まりの状況が続き、再び金融引き締めの強化に追い込まれる可能性がある。
1970年以降の総合CPIの前年比をみると、オイルショックが2回あった70年代は5%超の時間帯が長かった一方、90年以降はグローバル化やインターネットの普及により交易が活発化し効率化が進んだため、5%台の時間帯が少なかった。FRBが金融引き締めを緩めることで、この5%の壁に突き当たるとみている。
新型コロナ感染拡大や地政学的リスクを背景としたインフレ高進以前に、財政出動や金融緩和によりインフレの素地がつくられていたため、インフレが5%を下回って下がっていくような環境になりづらくなっている可能性がある。
●日銀追加政策修正の障害にならず
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<みずほ証券 チーフ債券ストラテジスト 丹治 倫敦氏>
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12月の米消費者物価指数(CPI)は、住居費の再加速などもみられたが、娯楽や教育・通信など一部のサービス価格の伸びが一服するなど、全体的にはインフレがピークアウトに向かうとの市場の基本的な見方に沿った内容になった。
FRB(米連邦準備理事会)が2月時点で0.25%まで利上げペースを落とすのであれば、3月まで利上げを続けたとしても、FF金利誘導レンジの中心は4%台にとどまり、市場の織り込みが追認されていく流れになるだろう。
現状はほぼ市場のシナリオ通りとなっている。今後、大幅な米利下げが想定されるような経済・物価環境にならなければ、米金利低下や円高進行は限定的で、日銀が追加の政策修正をためらうような状況にはならないとみている。政策修正を見込んだ円債売りも続く可能性が大きく、当面は日銀が指し値オペなどでどう対抗していくかが、円金利水準を決めるポイントとなりそうだ。
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