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概要:米国株式市場は主要株価指数が2%超上昇して取引を終えた。米雇用者数の伸びが予想以上だった一方、賃金の伸びが鈍化したほか、サービス業の縮小が示されたことで米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線に関する懸念が緩和された。
[6日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価指数が2%超上昇して取引を終えた。米雇用者数の伸びが予想以上だった一方、賃金の伸びが鈍化したほか、サービス業の縮小が示されたことで米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線に関する懸念が緩和された。
米国株式市場は主要株価指数が2%超上昇して取引を終えた。
米労働省が6日発表した2022年12月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は22万3000人増えた。堅調な雇用の伸びを維持し、失業率も3.5%に改善した。
一方、12月の時間当たり平均賃金は前月比0.3%上昇。11月は0.4%上がっていた。12月の賃金上昇率は前年同月比4.6%と、11月の4.8%から低下し、21年8月以来の低い伸びとなった。
米供給管理協会(ISM)が6日発表した2022年12月の非製造業総合指数(NMI)は49.6と20年5月以来、2年7カ月ぶりに50を割り込んだ。50を下回ると、米経済の3分の2超を占めるサービス業の縮小を示す。新型コロナウイルス流行時を除くと09年後半以来の低水準となり、長期的な景気後退期の水準とされる50.1も下回った。
バーデンス・キャピタル・アドバイザーズのメーガン・ホーンマン最高投資責任者(CIO)は「賃金の伸びが鈍化しインフレ面では良いニュースだ。労働参加率は再び上昇し、雇用もまだ創出されている。これは経済にとってある意味ウィン─ウィンだ。ただ一方で、ISM非製造業は本当に軟調で広範囲にわたって弱かった」と指摘。「このため、ここ数十年で最も積極的なFRBの引き締めサイクルが終わりに近づいているとの見方が広がり、株高につながった」と述べた。
週間ではS&P総合500種とナスダック総合は5週ぶりの上昇となった。S&P500が1.45%、ナスダックが0.98%、ダウ工業株30種が1.46%それぞれ上昇した。
ハンティントン・ナショナル・バンクのジョン・オーガスティンCIOは、FRBが景気後退を引き起こすほどの利上げを行うのではないかという懸念が緩和されていると言及。「今日発表された経済指標は景気後退を余儀なくさせるような圧力を緩和させるかもしれない。すでに十分に景気を減速させているかもしれなず、インフレ統計で検証する必要がある」とした。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は6日、同日発表された米雇用統計は米経済が徐々に減速していることを示す新たな兆候であり、このままいけばFRBが次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.25%ポイントに引き下げることができると述べた。
S&P主要全セクターが上昇し、素材株が3.44%高と上げを主導。次いで、金利に敏感な情報技術が2.99%上昇した。
上昇率が低かったのはヘルスケアで0.89%高。エネルギーは1.68%上昇した。
米会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールが12月の売上高の大幅な伸びを発表したことで7%上昇し、主要消費財の上昇に寄与した。
米バイオジェンは2.8%高。米食品医薬品局(FDA)は6日、エーザイとバイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を承認した。早期アルツハイマー病の患者が使用対象となる。エーザイの米国株は4%高の64.20ドルとなった。
米生活雑貨販売ベッド・バス・アンド・ビヨンドは22%急落。ロイターが関係者の話として同社が数週間内に破産法の適用を申請する準備を進めていると報じたことを受けた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を6.69対1の比率で上回った。ナスダックでも2.59対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は111億5000万株。直近20営業日の平均は108億4000万株。
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