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概要:[東京 21日 ロイター] - ピクテ・ジャパンの大槻奈那シニア・フェローは21日、ロイターのインタビューに応じ、来年は物価上昇を上回る賃上げが見込まれ、日銀は金融政策の正常化に向かわざるを得ないと述
[東京 21日 ロイター] - ピクテ・ジャパンの大槻奈那シニア・フェローは21日、ロイターのインタビューに応じ、来年は物価上昇を上回る賃上げが見込まれ、日銀は金融政策の正常化に向かわざるを得ないと述べた。来年4月の次期総裁就任後に政策の点検を実施し、必要なら10年金利の許容変動幅を再拡大し、米国のリセッションの深さがどの程度か見極めた上で利上げに進む可能性があるとした。
20日、日銀が10年金利の許容変動幅拡大を決めたが、市場予想がない中での決定を受けて地方銀行が保有する国債の評価損が1兆円超に膨らんだ可能性があると指摘。日銀は審議委員の講演などを通じ、市場に対して事前に金融政策の方向性を織り込ませていくことが重要だと述べた。
<来年は実質賃金がプラスに>
日銀による長期金利の許容変動幅拡大について大槻氏は、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の推移や雇用情勢、主要先進国の動向を踏まえると「日本だけが主要先進国で唯一、逆方向を向いているという金融政策はなかなか取りづらかった」と理解を示した。
ピクテは2023年のコアCPIを前年比プラス2.7%と予想。大槻氏は「米景気のリセッションの底が深くならない限り、日本のインフレはデマンドプル型で行くのではないか」とみている。賃金については、大企業の賃上げが5%程度、中小企業でも優秀な労働力確保の観点から2%程度の賃上げが見込めるとして、全体の加重平均で3%程度の賃上げを予想。実質賃金がプラスになることで、日銀は「徐々に正常化に向かわざるを得ない」と語った。日本の住宅価格の上昇率が実質で見ると先進国で最高水準にあり、資産バブル抑制の観点からも金融政策の正常化が必要だと述べた。
<10年金利の許容変動幅、必要なら再拡大も>
大槻氏は金融政策の正常化に向けた具体的なプロセスとして、23年春の新総裁就任後に金融政策の点検・検証が行われ、政府・日銀の共同声明(アコード)見直しを経て、初夏にフォワードガイダンスの変更、必要に応じて10年金利の許容変動幅の再拡大が行われ、その後に政策金利の調整に進む可能性があるとの見通しを示した。
大槻氏によると、日米金利の相関が高かった2000年から13年までのデータに基づいて推計すれば、米10年債の3%台後半に相当する日本の10年債金利は1%弱に当たる。イールドカーブの歪みを解消するために10年金利の許容変動幅を再拡大する場合は、プラスマイナス0.5%からプラスマイナス0.75%にするのではないかという。
政策金利の引き上げについては「アナウンス効果があまりに大きいので、少なくとも米国のリセッションの底がどのくらいか見定めてからになる」とした。上場投資信託(ETF)は「少なくとも政策金利を正常化するまでは安全弁として残しておくのではないか」と述べた。
13年に策定された政府・日銀の共同声明については、改訂するが「ファインチューニングになる」とした。共同声明に明記した2%物価目標の変更は非常に大きなサプライズになるとし「(物価目標は)形式上とはいえ達成できているので、目標を下げるモチベーションはない」と述べた。
<地銀の国債評価損は1兆円超か>
大槻氏によると、上場地銀は9月末時点で6700億円の国内債の含み損があったが、20日に日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したことによる金利上昇で含み損が「1兆円を超えていても不思議ではない」という。
急速な利上げを進める米連邦準備理事会(FRB)が、米連邦公開市場委員会(FOMC)当日には市場で大きなサプライズを起こしていないことに触れ、日銀も審議委員の講演など多様な情報発信を通じ、市場に対して金融政策の方向性を事前に十分織り込ませていくことが重要だと話した。
(和田崇彦、木原麗花 編集:石田仁志)
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