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概要:欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、市場が現時点で評価しているよりもタカ派的な姿勢で政策運営をしていくだろう。
[ロンドン 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、市場が現時点で評価しているよりもタカ派的な姿勢で政策運営をしていくだろう。
欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、市場が現時点で評価しているよりもタカ派的な姿勢で政策運営をしていくだろう。
ECBとBOEは15日、ともに利上げ幅を縮小した一方で、消費者物価指数(CPI)と金融引き締めの表現についてはそれぞれ「あまりに高過ぎる」「強力」と非常に物々しい言葉を散りばめた。投資家から見ると、景気後退(リセッション)が迫っている上に、ECBとBOEは当初インフレ抑制に消極的だった経緯があるため、両行がそこまで踏み込んだ引き締めに動くか確信が持てないでいる。だがそうした態度は、高い代償を支払う判断ミスにつながる恐れがある。
15日にECBのラガルド総裁とBOEのベイリー総裁が行った政策決定は、市場の想定通り。前日に米連邦準備理事会(FRB)が50ベーシスポイント(bp)の利上げを決め、来年いっぱい政策金利を高水準に維持する必要があると強調したことを受けて、ECBとBOEも利上げ幅を同じ50bpにそろえ、前回までの75bpからペースを緩めた。これは相対的にハト派寄りの行動といえるが、発せられた言葉はタカ派的で、物価見通しも悲観的だった。
ECBのエコノミストの最新見通しに基づくと、ユーロ圏CPIは総合ベースとエネルギー・食品を除くコアベースでそれぞれ足元の10%と6.6%からは今後鈍化する。とはいえ賃金とサービス価格の上昇に伴って、総合CPIとコアCPIは少なくとも2025年まで、ECBが目標とする2%を上回り続ける。
BOEもやはり賃金とサービス価格を懸念要素として指摘。8月から10月まで前年同期比で6.9%上がった民間部門の賃金は来年の大半の期間を通じて高止まりすると警告した。ECBとBOEは、リセッションについては従来の想定ほど深刻ではないとみている。ところがそれも良いニュースにならない。なぜなら景気の落ち込みが小さければ需要と賃金は高いままとなり、インフレを助長するからだ。
投資家は金融引き締めをそれほど怖がっていないように思われる。リフィニティブのデータによると、市場は英国の政策金利が現在の3.5%から来年8月に4.5%に達して利上げは打ち止めになると見込む。ECBの政策金利は来年6月までに2%から3%に上昇し、そこが最終到達地点と予想されている。もっともドイツ10年国債は、金融政策はこの先も「引き締め的」になると主張したラガルド氏の発言をより素直に受け入れ、利回りが約16bp上昇した。
ラガルド氏やベイリー氏、そしてFRBのパウエル議長はいずれも、物価見通しを間違えて、昨年にインフレに火が付いた時点でようやく利上げを始めるという失策のつけを支払わされている。また欧米経済が振るわなくなれば、金融政策を方向転換してハト派的になるかもしれない。それでも彼らの言葉を額面通り受け取るなら、多くの投資家は想定外のタカ派姿勢にはしごを外されることになる。
●背景となるニュース
*欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)は15日、市場予想通りに50bpの利上げを決めた。一方でさらなる引き締めを通じて根強いインフレを抑え込むと改めて表明した。
*ECBの中銀預金金利は2%に引き上げられた。また最新見通しによると、ユーロ圏CPIの前年比上昇率が目標の2%に戻るのは何年も先になる。
*BOEの政策金利は3%から3.5%になった。9人の政策委員のうち2人は、経済の不確実性を理由に利上げ休止を提案した。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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