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概要:今年はドルが驚異的な急騰をみせて諸外国の通貨をけちらし、企業収益を悪化させる一方、投資家に数少ない儲けの機会をもたらした。ドルはこの数週間で急落しているが、来年は景気後退への懸念を背景とした逃避的な買いで高値を維持するかもしれない。
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 今年はドルが驚異的な急騰をみせて諸外国の通貨をけちらし、企業収益を悪化させる一方、投資家に数少ない儲けの機会をもたらした。ドルはこの数週間で急落しているが、来年は景気後退への懸念を背景とした逃避的な買いで高値を維持するかもしれない。
今年はドルが驚異的な急騰をみせて諸外国の通貨をけちらし、企業収益を悪化させる一方、投資家に数少ない儲けの機会をもたらした。写真はドル紙幣。ソウルで2011年2月撮影(2022年 ロイター/Lee Jae-Won)
ドルは対主要通貨バスケットで約20%上昇し、9月のピークには約20年ぶりの高値を付けた。投資家の間では米連邦準備理事会(FRB)が近く利上げペースを緩めるとの見方が強まっており、ドルは現在、年初来の上昇幅がほぼ半減している。
米利回りの上昇はドル高を促す主因だったが、他にもドル高を後押しする重要な材料があった。世界的なインフレ、エネルギー価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた市場の混乱から身を守るため、投資家は安全資産のドルに殺到した。
またエネルギー危機の懸念が欧州の資産を直撃、中国も新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策が成長に打撃を及ぼす中、米経済の相対的な堅調ぶりもドルの魅力を高めた。
ドルは上げ幅がいくらか縮小したが、それでも今年は通年の上昇が2014年以降で最も大きくなりそうだ。バン・オブ・アメリカ・グローバルリサーチのファンドマネジャー調査によると、ドルは11月に5カ月連続で最も取引が集中した通貨となり、過大評価されているとの回答が過去最多に上った。
しかしロイターが外為ストラテジスト66人を対象に行った調査では、ドルは1年後も現在の水準で取引されると予想されている。各地の中央銀行の金融引き締めが成長に打撃を及ぼし、安全資産としてのドルの魅力が再び高まるとの見方が多い。
<ドルが重要な理由>
ドル相場の行方を正しく見極めることは、投資家にとって極めて重要だ。ドルの動きは企業収益から原油や金など商品価格に至るまで、あらゆるものを左右するからだ。
ドル高になると米国の輸出企業は海外での競争力が低下し、収益をドルに交換しなければならない米国の多国籍企業は打撃を受ける。バンク・オブ・アメリカによるとS&P500種.SPX構成企業の海外のエクスポージャーは約30%で、ハイテクと素材セクターが最も打撃を受けやすい。
今年はナイキやIBM、メタ・プラットフォームズなど幅広い企業が、ドル高によって業績が悪影響を被ると予想。ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのトム・リー調査部長によると、S&P500種構成企業の今年の収益はドル高で8%程度失われた。
諸外国はドル高で原油などドル建て商品の価格が上昇して割高となり、ドル建てで借り入れを行った海外の企業や政府は債務返済のコストが重くなっている。
またドル高は米国の消費者物価を押し下げる一方、諸外国の通貨を押し下げ、世界中でインフレを悪化させている。国際通貨基金(IMF)は10月、ドルが10%上昇するとインフレ率は平均1%上昇するとの試算を示した。
<2023年は景気次第か>
米市場ではドルのセンチメントに変化の兆しが表れている。10月の米消費者物価指数(CPI)が予想よりも低い伸びにとどまったため、ドルは先月通貨バスケットに対して5%下落し、月間では2010年以来最大の下げを記録した。
ロイターが米商品先物取引委員会(CFTC)のデータに基づき算出したところ、先物市場では11月に投機筋のドルポジションが1年4カ月ぶりに売り越しとなった。
ドルの下落が続くかどうかはFRBがインフレを十分抑え込み、最終的に金融緩和に踏み切るかどうか次第かもしれない。来週発表される米統計で再びインフレの落ち着きが示されれば、さらなるドル安を誘発する可能性がある。
投資家は13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も待っている。FRBはこの会合で利上げ幅を50ベーシスポイント(bp)に縮小するとの予想が大勢だ。
長期的には、ドルの変動要因が金融政策から景気への懸念に移るかもしれない。ロイターの調査ではストラテジストの8割近くが、金融政策に基づくとドルの上昇余地はほとんどないと回答した。
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