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概要:終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが急落した。10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったが、失業率の上昇や賃金の前年比の伸び鈍化が景気減速の兆しと受け止められた。
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが急落した。10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったが、失業率の上昇や賃金の前年比の伸び鈍化が景気減速の兆しと受け止められた。
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが急落した。2011年8月都内で撮影(2022年 ロイター/Yuriko Nakao/File Photo)
雇用統計発表直後にドルは買われたが、市場参加者が雇用統計の内容を消化するにつれ、売りが強まった。
米労働省が4日発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったが失業率は3.7%に上昇、労働市場の緩みを示した。連邦準備理事会(FRB)による12月以降の利上げ幅縮小が可能なことを示唆する内容となった。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%ポイントの利上げ確率は52.5%、0.50%ポイントの利上げ確率は47.5%となった。雇用統計直後には0.75%ポイントの利上げ確率が一時64%まで上昇した。
FRBのターミナルレート(政策金利の最終到達点)の予想水準は雇用統計発表直前の約5.2%から5.09%に低下した。
ジェフリーズ(ニューヨーク)のマネー・マーケット・エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「今回の雇用統計は全体的にかなり複雑な内容だが、FRBが今回のデータを見て、インフレ抑制に向けて大きく前進していると考えることはできない」と指摘。「雇用者数の伸びが鈍化し、賃金の伸びも減速しているが、どちらも十分なペースで減速しているわけではない。今回のデータは12月のFOMCでの0.75%ポイントの追加利上げの可能性をしっかりと残しているが、今から12月までに他のいくつかの重要なデータの発表があることは言うまでもない」とした。
米雇用統計で雇用の堅調な伸びが示されたにもかかわらず、FRB当局者は4日、次回のFOMCでより小幅な利上げを検討する意向を示した。
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は4日、今後の連邦準備理事会(FRB)による利上げペースの検討についてより「慎重に」行動する用意があるとした。
ドル/円は1.1%安の146.65円。週間では3週連続で下げた。
ユーロ/ドルは2.2%高の0.9960ドル。
ドル指数は1.9%安の110.77。下落率は2015年11月以降で最大となる勢い。
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