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概要:[4日 ロイター] - <為替> ドルが急落した。10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったが、失業率の上昇や賃金の前年比の伸び鈍化が景気減速の兆しと受け止められた。 雇用統
[4日 ロイター] -
<為替> ドルが急落した。10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったが、失業率の上昇や賃金の前年比の伸び鈍化が景気減速の兆しと受け止められた。
雇用統計発表直後にドルは買われたが、市場参加者が雇用統計の内容を消化するにつれ、売りが強まった。
米労働省が4日発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったが失業率は3.7%に上昇、労働市場の緩みを示した。連邦準備理事会(FRB)による12月以降の利上げ幅縮小が可能なことを示唆する内容となった。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%ポイントの利上げ確率は52.5%、0.50%ポイントの利上げ確率は47.5%となった。雇用統計直後には0.75%ポイントの利上げ確率が一時64%まで上昇した。
FRBのターミナルレート(政策金利の最終到達点)の予想水準は雇用統計発表直前の約5.2%から5.09%に低下した。
ジェフリーズ(ニューヨーク)のマネー・マーケット・エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「今回の雇用統計は全体的にかなり複雑な内容だが、FRBが今回のデータを見て、インフレ抑制に向けて大きく前進していると考えることはできない」と指摘。「雇用者数の伸びが鈍化し、賃金の伸びも減速しているが、どちらも十分なペースで減速しているわけではない。今回のデータは12月のFOMCでの0.75%ポイントの追加利上げの可能性をしっかりと残しているが、今から12月までに他のいくつかの重要なデータの発表があることは言うまでもない」とした。
ドル/円は1.1%安の146.65円。週間では3週連続で下げた。
ユーロ/ドルは2.2%高の0.9960ドル。
ドル指数は1.9%安の110.77。下落率は2015年11月以降で最大となる勢い。
<債券> 米債利回りがまちまちの展開となった。10月雇用統計を受けて、FRBが12月FOMCで利上げ幅を縮小するとの観測に拍車がかかった。
利回りは、短期ゾーンで低下する一方、長期ゾーンは高止まりしている。
2年債利回りは4.654%と4.7ベーシスポイント(bp)低下。10年債利回りは4.163%で3.9bp上昇となった。
2年債と10年債の利回り格差は終盤はマイナス49.6bp。雇用統計発表後には一時マイナス71.8bpとなる場面があった。
30年債利回りは10.2bp上昇し4.254%。
雇用統計は賃金の緩やかな上昇や労働参加率の低下を示し、FRBの政策に「方向転換」が起きるとの観測を再浮上させた。
賃金の緩やかな上昇によりインフレ圧力が緩和され、12月の利上げ幅は50bpにとどまるとの見方から、金利は序盤の上昇から次第に水準を切り下げた。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は5年物が2.623%、10年物が2.478%だった。
インフレ期待指標として注目されるドル建て5年先5年物インフレスワップは2.565%。
<株式> 米国株式市場は不安定な展開となる中、5日ぶりに反発して取引を終えた。強弱入り混じる内容となった米雇用統計や今後の利上げペースに関するFRB当局者の発言が材料視された。
S&P総合500種とナスダック総合はともに最大2%上昇。ダウ工業株30種も雇用統計を受け1.9%上昇したものの、その後マイナス圏に沈む場面もあった。
週足ではダウが1.39%安で5週間ぶりに下落。S&Pも3.34%安。ナスダックは5.65%安で、1月以来の大幅な下げ率を記録した。
TDアメリトレードのトレーディングストラテジスト、ショーン・クルーズ氏は雇用統計が「利上げの定着を示す内容ではなかった」とし、この日の株価動向については、今週のFOMC後のパウエルFRB議長の発言を受けた売りが幾分行き過ぎていたことの反動の可能性もあるという見方を示した。
シカゴ地区連銀のエバンス総裁がたとえ1年後であっても、FRBが利上げ一時停止を「検討する」可能性があると述べたことは株価押し上げに寄与した。
CMEのフェドウォッチによると、12月の利上げ幅についてトレーダーの見方は、0.75%ポイント利上げの確率が雇用統計発表を受け一時上昇したものの、その後は0.50%ポイント利上げの確率が約62%となった。
市場の注目は、8日の米中間選挙や来週発表される米消費者物価指数にシフトしている。
中国のコロナ規制緩和への期待から、アリババは7.05 %、JDドットコムは9.74%それぞれ上昇した。
こうした期待は銅などの商品価格も押し上げ、それに追随しS&P素材株は3.41%上昇した。
コーヒーチェーン大手スターバックスは8.48%高。3日発表した第4・四半期(10月2日まで)決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。
米取引所の合算出来高は133億1000万株。直近20営業日の平均は117億4000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.56対1の比率で上回った。ナスダックでも1.41対1で値上がり銘柄数が多かった。
<金先物> 急反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比45.70ドル(2.80%)高の1オンス=1676.60ドル。金塊相場は週間で1.93%上昇した。
<米原油先物> 急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比4.44ドル(5.04%)高の1バレル=92.61ドルだった。12月物は週間ベースで5.36%上昇した。1月物は4.27ドル高の91.45ドル。
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