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概要:米アマゾン・ドット・コムが市場から猛攻撃を受けている。27日発表の第3・四半期決算では、北米の売上高とクラウド事業は堅調だった。それにもかかわらず、まもなく本格化する年末商戦期間の純売上高見通しが市場の期待ほど思わしくないとの警告を明らかにしたことで、株式市場では時価総額が約2000億ドルも消えた。投資家が企業価値判断の基準を変えてしまえば、それなりにしっかりした会社であっても苦境に陥ってしまうのだ。
[ニューヨーク 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アマゾン・ドット・コムが市場から猛攻撃を受けている。27日発表の第3・四半期決算では、北米の売上高とクラウド事業は堅調だった。それにもかかわらず、まもなく本格化する年末商戦期間の純売上高見通しが市場の期待ほど思わしくないとの警告を明らかにしたことで、株式市場では時価総額が約2000億ドルも消えた。投資家が企業価値判断の基準を変えてしまえば、それなりにしっかりした会社であっても苦境に陥ってしまうのだ。
10月27日、米アマゾン・ドット・コムが市場から猛攻撃を受けている。写真は2021年10月、仏ボーブのアマゾン物流施設で2021年10月撮影(2022年 ロイター/Pascal Rossigno)
アンディー・ジャシー最高経営責任者(CEO)率いるアマゾンの第3・四半期売上高は力強い伸びだった。クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が好調だったほか、米国やその近隣諸国で小売り消費は良好だったのが大きかった。通販事業の収入は前年同期比13%増の1070億ドル。地域別では海外が落ち込んだ一方、北米は20%余りも増加した。クラウド部門の収入は27%増の210億ドルとなった。
ただ小売りは常にもうかるわけではない。今年1─9月で見るとアマゾンの小売り部門は80億ドルを超える営業赤字で、AWSで稼ぎ出した営業利益の半分近くを食いつぶしている。経済の先行きが悪化しているため、不安感にさいなまれる消費者はさらに消費控えに走って同社に痛みをもたらすかもしれない。コンファレンスボードの最新調査では、米国が景気後退(リセッション)に突入する確率は96%との予想が示されている。アマゾンは第4・四半期については、営業利益は最悪なら利益ゼロ、純売上高もアナリスト予想に届かないと警告した。ドル高の影響も指摘された。
北米の売上高はアマゾン全体の収入の約6割を占める。直近の利益に近視眼的にこだわるのでなく長期の成長を重視するというのがいくらアマゾンの社風だとしても、電子製品・書籍のシェアが縮小しているのは喜ばしいニュースではない。とはいえアマゾンは、第3・四半期決算がさえなかった米メタ・プラットフォームズとは異なり、ハイテク業界全体に吹き荒れる逆風を含め、より大きなトレンドの犠牲になった面もある。本来ならアマゾンがここまで同様に罰を受ける妥当性は乏しい。
それでもファンドマネジャーらはゴールポストを動かしつつある。何年間も成長というテーマに酔いしれていた彼らは今まさに、利益に関心を向けている。つまりアマゾンにとっては、小売り部門がいずれは黒字化できると証明しなければならないことになる。だが最大の顧客である米消費者への期待感が悪化する中では、その証明を果たす仕事は難しくなる一方だろう。
●背景となるニュース
*アマゾン・ドット・コムの株価は27日の時間外取引で一時18%余り急落した。年末商戦を含む第4・四半期の純売上高見通しがアナリスト予想を下回ったためだ。アマゾンの見通しは前年同期比2─8%増の1400億─1480億ドルであるのに対し、アナリスト予想は1550億ドル強。前年同期が35億ドルだった営業利益は、ゼロ-40億ドルと見込んでいる。
*アマゾンの第3・四半期純売上高は1271億ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の1275億ドルに届かなかった。過去12カ月の営業キャッシュフローは27%減の397億ドル。
*クラウドのデータストレージサービス部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は205億ドルで、前年同期比28%増えたが、やはり市場予想は下回った。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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