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概要:日本特殊陶業<5334>(東証プライム)は、今年9月26日に今2023年3月期第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)業績の上方修正を発表したが、3月期通期業績は期初予想の据え置きにとどめたことが失
日本特殊陶業<5334>(東証プライム)は、今年9月26日に今2023年3月期第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)業績の上方修正を発表したが、3月期通期業績は期初予想の据え置きにとどめたことが失望され株価が急落している。ただ前期業績も、昨年9月27日に前期2Q業績のみを上方修正したあと、その2Q業績発表時の10月27日に通期業績を上方修正しており、再現期待を高めて今年10月28日に予定している今期2Q決算発表を先取り割安株買いが再燃した。今期2Q業績の上方修正時に見直した為替相場が、足元でさらに円安となっていることも、側面支援材料視されている。
■補修用部品と半導体製造装置用部品が好調に推移し円安も寄与
同社の今3月期2Q業績は、期初予想より売り上げを63億円、営業利益を86億円、税引前利益を158億円、純利益を103億円それぞれ引き上げ、売り上げ2820億円(前年同期比20.2%増)、営業利益543億円(同60.0%増)、税引前利益623億円(同88.6%増)、純利益437億円(同74.5%増)と見込み連続の大幅続伸となる。自動車生産の回復が遅れ、新車組付市場も厳しい環境下にあるが、補修用部品市場や半導体製造装置用部品の販売が好調に推移し、円安・ドル高・ユーロ高の寄与や、固定資産売却益約19億円を計上することが要因となった。なお為替レートは、期初想定の1ドル=120円、1ユーロ=135円からそれぞれ134円、139円と円安方向で見直した。
今3月期通期業績は、為替相場などの世界経済の見通しが不透明として期初予想を据え置き、売り上げ5705億円(前期比16.0%増)、営業利益960億円(同27.1%増)、税引前利益978億円(同16.9%増)、純利益701億円(同16.4%増)と見込んでいる。上方修正された2Q業績が、この通期予想業績に対して56~63%の高い利益進捗率を示していることや、足元の為替レートが1ドル=146円台後半、1ユーロ=142円台とさらに円安となっていることから、通期業績の上ぶれ期待を高めている。なお今期2Q配当(中間配当)は、期初予想の69円を83円に引き上げ、期末配当は期初予想の69円とし年間152円(前期実績102円)へ連続の大幅増配を予定している。
■足元の調整幅の半値戻しをクリアしPER7倍、配当利回り5%の割安修正を加速
株価は、ロシアのウクライナ侵攻による世界同時株安の波及で売られた年初来安値1737円から前期末の配当権利取りで2084円までリバウンドし、その配当権利落ち安値1896円からは今期業績の連続過去最高更新予想、今期第1四半期の好決算などが続いて年初来高値3015円まで上値を伸ばした。同高値からは、2Q業績の上方修正にもかかわらず通期業績を据え置きとしたことが嫌われて2534円まで急落、足元ではこの急落幅の半値戻し水準まで買い直されている。PERは7.7倍、年間配当利回りは5.65%となお割安であり、この割安修正加速でまず年初来高値3015円を奪回し、2018年9月高値3405円が次の上値ターゲットとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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