人気プラットフォームを模倣するメタの試みは、いつも失敗してきた…ニュースレター配信サービス｢Bulletin｣の閉鎖を発表

メタ（旧フェイスブック）の創業者兼CEO、マーク・ザッカーバーグ。

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• メタは10月4日、ニュースレタープラットフォームのSubstackに対抗するものとして立ち上げた｢Bulletin｣を閉鎖すると発表した。

• メタは音声SNSのClubhouseの他、アマゾンのマーケットプレイスまで模倣するような実験を行っている。

• メタはテック分野においてさまざまな取り組みを行ってきたが、莫大な資金があるからといって必ずしも大きな成功を収めるとは限らないことが示されている。

オスカー・ワイルド（Oscar Wilde）は｢真似ることが最も誠実なお世辞になる｣という有名な言葉を残している。ワイルドの著作を2015年の読書リストに入れていたと報じられているメタ（Meta）のマーク・ザッカーバーグ（Mark Zuckerberg）CEOは、この言葉を自分のものにしてしまったようだ。

ザッカーバーグは長年にわたり、他の成功したプラットフォームを真似たものを立ち上げようと何度も試みてきたが、しばしば失敗している。

2022年10月4日、メタは｢Bulletin｣を2023年1月に閉鎖すると発表した。これはニュースレター配信をサポートするSubstackのライバルとなるべく始まったサービスだ。

2021年6月にBulletinが開設された際、ザッカーバーグが｢非政治的｣であることに重視したため、このプラットフォームはいずれ消えるだろうと、あるライターが予想していた。

Bulletinは、ジャーナリストのマルコム・グラッドウェル（Malcolm Gladwell）やスポーツキャスターのエリン・アンドリュース（Erin Andrews）など、著名なメディア関係者と数十万ドルの契約を結んでいた。だが、とうとうユーザーからの注目を集めることはなかった。

2021年4月、音声SNSアプリのClubhouseがパンデミックの最中に隆盛を誇っていたころ、メタはポッドキャストやオーディオサービスなど、音声関連の取り組みを開始したが、2022年6月にはそれらのサービスを停止した。

ライバルを打ち負かすために、競合するサービスに莫大な資金をつぎ込むというメタの戦略は、他のテック大手も採用している。しかし、連邦政府関係者は、彼らが｢不公正な競争方法（unfair methods of competition）｣と呼ばれる反競争的行為の領域に踏み込んでいるとして非難している。

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ザッカーバーグは、小さなライバルだけを標的にしているわけではない。最大のライバルも打ち負かそうとしてきた。

メタは2020年、フェイスブック（Facebook）やインスタグラム（Instagram）といったプラットフォーム上でオンラインストアを構築できる｢ショップ機能｣を発表した。当時、ザッカーバーグにはメタをアマゾンの競合にするという壮大な計画があったとThe Informationが報じている。しかし、ショップ機能に顧客を誘導するのは困難で、そのユーザー体験は各ブランドの自社サイトよりも劣るほどだった。

メタはこのほどeコマースに関するいくつかの取り組みを停止し、9月にはインスタグラムのショップタブを削除することを発表した。ショップの売上高が｢少なかった｣ためだとThe Informationが報じている。

また同誌によると、メタのコマースチームは｢離職率が高く、戦略をめぐる議論が絶えないため、どの仕事を優先すべきかについてリーダーたちの間で意見の相違が生じていた｣という。

現在、メタは彼らが｢再考（reconsideration）｣と呼ぶ戦略に立ち戻り、ユーザーがクリックしたものの未購入という商品の広告をしきりに発信しているという。

ジョージタウン大学のコンピューターサイエンスの教授で、デジタル文化に関する著作もあるカル・ニューポート（Cal Newport）は、メタの実績は彼らがコントロールできないいくつかの要因にも左右されると考えている。

｢彼らはTwitterの革新的なキュレーションされたフィードや共有、画像についての模倣を成功させたこともあった。だが、失敗もあった｣とニューポートは電子メールを通じて述べている。

｢多くのソーシャルメディアのアプリには、適切なユーザーを、適切なインタフェースで、適切な時期に集めるという、魔法のような面があり、これを真似ることは困難だろう｣

ザッカーバーグの次の賭けはメタバースだ。この試みには700億ドル（約10兆円）が投じられると言われており、1つの取り組みにこのような途方もない資金を費やすテック企業はこれまでなかったと、The Informationが分析したデータに示されている。

｢成功するまでは失敗する｣という考え方がシリコンバレーのルールブックの中に組み込まれている。だから、メタバースはザッカーバーグの次の大勝利になるのかもしれない。

しかし、ニューポート教授は懐疑的だ。

｢多くの人はグループ・テキスト・メッセージで友人と軽く連絡を取り合う程度で、十分に満足している。そのようなやりとりを3次元の仮想世界に持ち込むことに対する強い関心は感じられない。それ（メタバース）は人々が現在経験している課題を解決するものではないのだ｣

Insiderはメタにコメントを要請したが、回答は得られていない。

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［原文：Mark Zuckerberg has pumped millions into Meta's bid to copy popular platforms like Clubhouse, Substack, and Amazon — but has usually failed because of internal debates and clumsy execution ］

（翻訳：仲田文子、編集：Toshihiko Inoue）

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