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概要:終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで上昇したものの、四半期末を控え終盤では上げ幅を縮小した。ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新し、米国の個人消費の伸びが予想を上回る中、リスクに敏感なコモディティー関連通貨が下落した。
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで上昇したものの、四半期末を控え終盤では上げ幅を縮小した。ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新し、米国の個人消費の伸びが予想を上回る中、リスクに敏感なコモディティー関連通貨が下落した。
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで上昇したものの、四半期末を控え終盤では上げ幅を縮小した。
ドル指数は週間で3週間ぶりの下げとなったものの、四半期では2015年第1・四半期以降で最大の上げを記録した。
ポンドは対ドルで序盤に売られていたが上昇に転じ、4日続伸となった。
ポンドは26日に過去最安値を付けたが、イングランド銀行(英中央銀行)が28日から連日で英国債の買い入れを実施したことを受け、週間でも上昇する見込み。
欧州連合(EU)統計局が30日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が10.0%と、前月の9.1%から加速し、過去最高を更新した。市場予想(9.7%)も上回った。
米商務省が30日発表した8月の個人消費支出(PCE)は前月より0.4%増えた。市場予想の0.2%増を上回った。インフレ圧力が8月も高まっていたことが示され、連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続する根拠になる可能性がある。
アムンディUSの債券・通貨戦略部門ディレクターのパレッシュ・ウパドヤヤ氏は、投資家が経済指標よりもポートフォリオのリバランスに集中したため「きょうの取引は月末・四半期末のフローにより歪んだ」とした上で、「世界経済成長への懸念、地政学的リスク、米金利上昇といったカウンターシクリカルな要素に支えられているため、現時点ではドルの強力な強気トレンドに対抗することはできない」と指摘。一方でコモディティー通貨は、需要や世界経済の成長に対する懸念から30日に発表されたインフレ統計に強く反応したと述べた。
米ドルはカナダドルに対して1.04%上昇。ニュージーランドドルは2.24%、豪ドルは1.62%それぞれ下落した。
ポンド/ドルは一時1.1235ドルを付けたが、終盤は0.28%高の1.11500ドル。
ユーロ/ドルは0.10%安の0.98055ドル。ドル指数はこの日0.08%安、週間で0.899%安となったが、四半期では7.2%上昇した。
フォレックスライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「きょう発表された経済指標で再びインフレの高まりが示されたことは驚きだ。金利やドルに上昇圧力がかかり続けるだろう」と述べた。
ドル指数は年初来で約17%上昇。月間では3.15%高と4月以来の大きさとなった。
ドル/円は0.2%高の144.765円。9月上旬以来おおむねもみ合っている。
人民元は前日の下げから回復。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の下落を食い止めるため、主要な国有銀行に対し、オフショア市場で元を買ってドルを売る準備をするよう指示したとロイターが報じた。
スイスフランは対ドルで1.05%下落。スイス国立銀行(中央銀行)が第2・四半期に500万スイスフラン(512万ドル)相当の外貨売り介入を実施したことが、30日発表のデータで明らかになった。
ドル/円 NY終値 144.75/144.78
始値 144.45
高値 144.82
安値 144.44
ユーロ/ドル NY終値 0.9799/0.9803
始値 0.9760
高値 0.9817
安値 0.9736
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