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概要:[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20─21日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げ、3.00─
[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20─21日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げ、3.00─3.25%とした。0.75%ポイントの利上げは3回連続だが、年内に同規模の利上げを少なくとも1回実施する可能性を示唆。パウエル議長はインフレ抑制に向け手を緩めることはないと明言した。
誘導目標の水準は2008年以来の高水準。同時に発表された新たな金利見通しでは、高インフレの抑制に向けて政策金利を年末までに4.25─4.50%に引き上げ、23年には4.50─4.75%でピークに達するとの見方が示された。
FOMC後に会見したパウエルFRB議長は、FRBは40年ぶり高水準にあるインフレ率を引き下げるという「強い決意」を持っており、「仕事が完了するまでやり続ける」と述べた。また「インフレ率の2%回帰を約束する」とも表明。当局は政策金利を「制約的な水準」まで引き上げ、「しばらくはその水準を維持する」必要があると考えていると述べた。
FRBが政策金利をさらに制約的にするか、より長く制約的にする必要があると判断した場合、経済が「ソフトランディング(軟着陸)」する見込みは低下する可能性が高いとも指摘。ただ、引き締め過程が景気後退につながるかどうか、景気後退がどの程度深刻なものになるかは分からないと述べた。
パウエル氏は「われわれはインフレを克服しなければならない」とし、「そうするため痛みの伴わない方法があればいいが、それはない」と語った。
また、今回の利上げによって住宅市場の需給バランスはより好ましいものに戻るとの見通しを提示。ただ、住宅インフレは当面かなり高止まりするとし、需給バランス改善と住宅価格の伸びをより正常なペースに戻すために「調整」を経なければならないとの予想も示した。
一方、経済見通しは22年末で0.2%成長と鈍化を想定。23年には1.2%成長に回復するが、潜在成長率を大きく下回るとした。現在3.7%の失業率は今年3.8%、23年4.4%に上昇すると予想。インフレ率は25年に目標の2%に緩やかに回帰すると見込んだ。
利下げは24年まで想定されていない。
FOMCの結果発表を受けて米国株は乱高下した後、終盤にかけて大幅安となった。S&P総合500種は1.8%安。
ドル指数は20年ぶりの高値を更新。米債市場では2年債利回りが4%台に乗せ、07年以来の高水準を付けた。
今年末に予想されているFF金利の水準は、22年の残り2回のFOMCで合計1.25%ポイントの追加利上げが決定されることを示唆しており、これは0.75%ポイントの追加利上げが控えていることを意味する。
FRBは声明で「インフレ率を目標の2%に回帰させることに強くコミットしている」とし、7月の前回声明と同じ「目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になると予想する」との文言を繰り返した。今回のFOMCでの政策決定は全会一致だった。
最新の予測では、FRBの高インフレとの戦いが長期化し、米経済が少なくともリセッション(景気後退)すれすれまで落ち込む可能性があると指摘されている。
FRBは「最近の指標は、消費と生産が緩やかに増加していることを示している」としたものの、米経済は年内になお減速すると見込まれている。
バンクレートのチーフ・ファイナンシャル・アナリスト、グレッグ・マクブライド氏は「FRBはインフレ認識、利上げ開始、国債買い入れの巻き戻し開始のいずれにも遅れを取った。それ以来、遅れを取り戻そうとし続けてきたが、まだ取り戻せていない」と述べた。
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