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概要:■CPI受けてインフレ懸念再燃、リスク回避の動き広がる今週の日経平均は週間で647.1円安(-2.29%)と大幅反落。 2週ぶりに大きめの陰線を形成し、終値では回復したばかりの52週移動平均線のほか、
■CPI受けてインフレ懸念再燃、リスク回避の動き広がる
今週の日経平均は週間で647.1円安(-2.29%)と大幅反落。
2週ぶりに大きめの陰線を形成し、終値では回復したばかりの52週移動平均線のほか、13週線も下回った。
週明け12日の日経平均は327.36円高で28500円台を回復。
前の週末の米株式市場で長期金利の上昇が一服し、ナスダック総合指数が大幅に上昇した流れを引き継いだ。
13日は72.52円高と小幅ながらも上昇。
米8月消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが強かったが、インフレ減速への期待から買いが優勢だった。
しかし、14日は796.01円安と急反落し28000円割れ。
米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する食品・エネルギーを除いたコア指数を中心に米8月CPIが予想を大幅に上振れたことで米長期金利が急伸。
ハイテク株を中心に急落したほか、過剰な金融引き締めが景気後退を招く恐れから景気敏感株まで広く売られた。
15日は57.29円高と小反発。
前の日の急落の反動で買いが先行したものの、インフレ懸念がくすぶり、米長期金利が高止まりするなか、自律反発狙いの買いも限られた。
週末16日は308.26円安。
米10年債利回りが6月来の高水準まで上昇したことで再び半導体関連などを中心に売りが広がった。
また、8月小売売上高など米国の経済指標が冴えなかったほか、米物流大手のフェデックスが発表した6-8月期の暫定決算が予想を大きく下回ったこともあり、世界景気の後退懸念が一段と強まったことも売りに拍車をかけた。
日経平均は27500円手前では下げ渋ったものの、国内3連休を前に手仕舞い売りも出やすく、終日上値の重い展開となった。
■中銀イベントが集中、様子見ムード続く
来週の東京株式市場は様子見の後に荒れ模様か。
国内は祝日に挟まれ立ち会いは3日に限られる。
注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とパウエルFRB議長の会見を織り込むのは最終日22日となるため、大半は様子見ムードが支配的となろう。
英国金融政策委員会、日銀金融政策決定会合も開催されるが、日本は現状維持、英国では0.5pt以上の大幅利上げが予想される。
いずれにせよ、重要視されるのは米国の動向となる。
米8月物価指標の結果を受けて、FF(フェデラル・ファンド)金利先物市場では20日から開催されるFOMCでの利上げ幅として0.75ptを完全に織り込み、1.00ptの利上げ確率も20%程まで高まる形となった。
市場が織り込むターミナルレート(政策金利の最終到達水準)は、CPI発表前は来年3月頃をピークに4%程度だったが、CPI発表後は一時4.5%近くまで上昇した。
米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁は政策金利を4%以上に引き上げるべきと以前から主張していたため、ターミナルレートとしてはFRBが想定する水準まで市場の織り込みが追い付いたといえる。
織り込みが一気に進んだ分、FOMCでのサプライズの可能性は低くなり、短期的にはイベント通過後はあく抜け感から株式市場の反発も予想される。
しかし、外部環境の不透明感がくすぶる中、持続性は疑わしいほか、FOMCでのサプライズの可能性もゼロではない。
今回のFOMCでは政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。
前回6月時点でのFOMC参加者が予想する2023年末の政策金利の中央値は3.75%であり、今会合ではこれがどこまで引き上げられるかが焦点になる。
現在、FF金利先物市場は来年3月頃の4.4%をピークに、その後は緩やかな利下げを予想する形になっており、23年末の政策金利水準としては3.96%を予想している。
しかし、パウエル議長はジャクソンホール会議で、家計や企業に痛みが伴ってでもインフレ沈静化を最優先にすることを主張しており、実際に景気が悪化したとしても来年中に利下げに転じる可能性は高くないと考えられる。
パウエル議長は1970年台後半のウィリアム・ミラー議長時代の政策運営を例に挙げ、景気悪化に応じてすぐに利下げに転じた結果、インフレをぶり返してしまった過ちと、それを再び繰り返すことの危険性を指摘し、早期の利下げに転換しないことを既に主張している。
FRBと市場が予想する来年末の政策金利水準にはまだギャップがあり、この点がサプライズの余地を残しているといえる。
FOMCの結果を織り込む東京時間22日は国内での立ち会いがこの週最後になるため、結果がネガティブなものとなれば、手仕舞い売りが膨らみ、日経平均の27000円割れも否定できないだろう。
14日、東京証券取引所が公表した裁定取引に係わる現物ポジションでは、9月9日時点での裁定買い残は1兆4056億円と、2019年以降での最高水準に近い金額となっている。
海外投資家の動向次第では、裁定売り圧力が強まり、需給面でも株価下落に拍車がかかりやすい状況といえる。
■米FOMC、米住宅着工件数、日銀金融政策決定会合など
来週は19日に米9月NAHB住宅市場指数、20日に8月全国消費者物価指数、米FOMC(~21日)、米8月住宅着工件数、21日に日銀金融政策決定会合(~22日)、8月訪日外国人客数、パウエルFRB議長会見、米8月中古住宅販売件数、22日に黒田日銀総裁会見、英金融政策委員会が予定されている。
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