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概要:■要約ホットリンク (TYO:3680)はソーシャルメディアデータを活用したデジタルマーケティング支援サービスを主に展開するIT企業である。 主要子会社として、大手ソーシャルメディアのデータアクセス権
■要約
ホットリンク (TYO:3680)はソーシャルメディアデータを活用したデジタルマーケティング支援サービスを主に展開するIT企業である。
主要子会社として、大手ソーシャルメディアのデータアクセス権販売を行う米Effyis, Inc.(エフィウス)や、中国市場をターゲットとしたWebプロモーション支援サービス、中国向け越境ECサービスなどを展開する(株)トレンドExpressがある。
1. 業績動向
2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高3,385百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益71百万円(同8.2%減)、税引前損失は90百万円(前年同期は217百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は60百万円(同160百万円の利益)となった。
クロスバウンド事業やDaas事業が業績を牽引し、過去最高の売上高を更新した。
SNSマーケティング支援事業・クロスバウンド事業の双方において、外部環境の変化を主因として第1四半期比で鈍化するも、営業戦略が奏功し2ケタ増収となった。
クロスバウンド事業への先行投資による売上構成の増加を要因として売上総利益率が低下したが、業務プロセスの自動化や、リファラル採用による採用コスト削減などの販管費コントロールを徹底することで営業黒字を確保した。
Web3関連投資が317百万円の評価損を計上し親会社の所有者に帰属する四半期純利益では60百万円の損失となるも、資産額は652百万円と出資額に対して2倍に増加した。
同社は短期的な目線ではなく、国内外の動向を綿密に調査したうえで中長期的な投資を行っている。
出資額に対して着実に資産は増加しており、投資事業を行う子会社(同)Nonagon Capitalを設立するなど、ボラティリティに対して攻めと安定の両立を図る事業展開をしていることから、大きな懸念はないものと弊社では見ている。
2. 今後の見通し
2022年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比21.4%増の7,976百万円、営業利益で前期比54.8%減の161百万円、税引前利益で前期比86.8%減の140百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で前期比87.0%減の99百万円としている。
中期目標の実現に向けた積極投資により、営業利益は前期を下回るが一過性のものである。
各事業において売上ミックスを変化させるなど、事業環境や景気の変動に左右されづらい機動的なアクションにより、足元の業績は計画どおりに進捗している。
既存事業の深化と新たな事業機会の探索による「両利きの経営」を推進しさらなる成長を見込む。
また、技術やネットワークを有する企業に対する積極投資やM&A、事業ポートフォリオの見直しやWeb3分野などの新規事業開発も視野に入れている。
売上高予想は外部環境の影響を加味し保守的に設定していることから、業績予想の上方修正の発表や通期計画上振れ着地の可能性もあると弊社は予想する。
3. 中長期の成長戦略
現在SNSを活用したマーケティングの重要性は急速に高まりつつある。
マーケティングにおける3つのメディア領域である「オウンドメディア※1」「ペイドメディア※2」「アーンドメディア※3」において、その影響力の大きさからSNS上の口コミ(「アーンドメディア」)を活用したマーケティング手法が注目され始めている。
ただ、口コミは自社でコントロールが不可能であるため、いかに最適なユーザーに情報発信してもらい効果的に拡散していくことができるかで、費用対効果も変わってくる。
同社はこのSNS上の口コミにおける強みを武器に、上記3メディアの領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。
また、同社はビッグデータの「情報収集」「分析」「活用(マーケティング)」という3ステップにおいて、それぞれ売上が「ストック型」「フロー型」に分かれるサービスを展開している。
これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社のサービスによって随時解決できることになる。
その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。
「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」「プラットフォームサービス」という特徴を生かすことで同社の業界内のプレゼンスは大きくなっており、従来アプローチが困難であった大手企業からの受注も今後増加すると弊社は予想する。
※1 オウンドメディアとは、自社が所有・運営するメディアのこと。
デジタルマーケティングにおいては自社Webサイト・自社のSNSアカウントなどが挙げられる。
※2 ペイドメディアとは、広告費用を払って露出できる他社が所有するメディアのこと。
デジタルマーケティングにおいては、検索エンジン広告・SNS広告・ニュースサイトなどが挙げられる。
※3 アーンドメディアとは、自社でコントロールできない、消費者が発信するメディアのこと。
デジタルマーケティングにおいては、消費者のブログ・SNSなどが挙げられる。
■Key Points
・2022年12月期第2四半期累計は過去最高の売上高を記録、営業利益も黒字確保
・2022年12月期の見通しは中期目標達成に向けて着実に収益を確保。
外部環境の変化に対して機動的なアクションを取ることで業況は良好であり、通期計画を上回る可能性もある
・統合マーケティング及びプラットフォーム型サービスにより成長市場の競争で優位に
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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