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概要:欧州は今年、輝かしい1年になるはずだった。新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えた高揚感と政府の大規模支出に後押しされた消費拡大が経済を引っ張り、2年間にわたる感染対策の規制に疲れ切っていた各家庭は、以前の生活を取り戻そうとしていたからだ。
[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州は今年、輝かしい1年になるはずだった。新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えた高揚感と政府の大規模支出に後押しされた消費拡大が経済を引っ張り、2年間にわたる感染対策の規制に疲れ切っていた各家庭は、以前の生活を取り戻そうとしていたからだ。
欧州は今年、輝かしい1年になるはずだったが、ロシアによるウクライナ侵攻で事態は一変。普通の暮らしは消え去り、景気後退はほぼ確実に到来しそうだ。写真はドイツ・ハンブルクの港で賃上げを求めてストライキを行う労働者ら。横断幕には「インフレという怪物を止めろ」と書かれている。
だが、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、事態を一変させた。普通の暮らしは消え去って危機が当たり前となり、景気後退(リセッション)はほぼ確実に到来しそうだ。物価上昇率は2桁に迫り、エネルギー不足に陥る冬が駆け足で近づいてきている。
仏小売り大手・カルフールのボンパール最高経営責任者(CEO)は、投資家に「危機が新しい日常だ。過去数十年間続いてきた低インフレ、国際貿易活動が終わりを迎えている」と語った。
変化は劇的だ。1年前、ほとんどの専門家は今年の欧州経済は5%近い成長を遂げると予想していたのに、今や景気後退が基本シナリオと化した。
家計と企業は、いずれもウクライナの戦争がもたらした食料とエネルギーの価格高騰にあえいでいる。さらに深刻な干ばつと河川の水位低下で物資輸送が制約を受け、状況はさらに悪化している。
9%というユーロ圏の物価上昇率は、過去半世紀の間に目にしたことがないほどの高さだ。その結果、ガソリンや天然ガス、各種生活必需品に余分な出費を強いられる人々の購買力は、損なわれる一方だ。
暖房需要期の始まりを数カ月先に控え、既に小売売上高は急減し、消費者は財布のひもを引き締めている。6月の欧州の小売売上高は前年比約4%減少し、特にドイツは9%減と過去最大の落ち込みを記録した。
消費者は高額商品の購入を諦め、ディスカウント店での買い物に移行。独衣料ネット販売大手・ザランドのゲンツ共同CEOは記者団に「生活費用が割高となり、消費者は支出に消極的になっている」と説明した。
企業は今のところ、根強い供給制約のために最高度の価格決定力を有しているおかげで、うまく対応してきている。それでもエネルギー集約型セクターは、苦境に置かれ始めた。欧州のアルミニウムと亜鉛の精製施設は稼働率が50%近くまで下がり、天然ガスに依存する肥料生産はほとんど停止している。
パンデミック期間に積み上がった貯蓄の一部を旅行に使おうという動きがある上に、この夏は2019年以降で初めて行動制限がなくなったため、欧州の観光産業は数少ない経済の明るい分野と言える。
ただ、このセクターも、パンデミック中に解雇した労働者がなかなか戻ってくれないので、人手不足が足かせになっている。フランクフルトやロンドンなどの主要空港では、乗客に対応するスタッフを確保できないというだけの理由で、運航便数を絞らざるを得なくなった。
<短期的な代償>
ロシアが欧州向けのガス供給をさらに減らした場合、社会経済の痛みはもっと強まる公算が大きい。
キャピタル・エコノミクスのキャロライン・ベイン氏は「足元のガスショックは、われわれが1970年代に経験した石油ショックのほぼ2倍の大きさだ。過去2年間で欧州の天然ガスのスポット価格は、10─11倍になっている」と述べた。
欧州連合(EU)は、再生可能エネルギーへの移行加速と2027年までにロシア産ガスの輸入をゼロにする計画を披露し、長期的にはより強固なエネルギー安全保障体制を確立しつつある。
だが、目先の話で言えば、供給不足を踏まえて域内の今年のガス消費を15%減らすよう求めており、エネルギーの独立性向上には代償を伴うことが分かる。
これは一般市民にとっては当面、自宅やオフィスがより寒い空間になることを意味する。例えば、ドイツ政府がこの冬に要望しているのは、公共スペースにおける暖房温度設定を以前の約22度から19度に下げる措置だ。
企業の立場では、ガス消費縮小は生産減につながり、特に工業部門で一段と成長が阻害される。
ドイツの卸売りガス価格は、1年間で最大5倍に跳ね上がった。もっとも消費者は長期契約で守られているため、これまでのところ打撃はこの値上がり幅よりずっと小さい。
しかし、消費者も政府が導入した賦課金を支払う必要があるし、長期契約の期限が到来すれば、価格は一気に高騰する。つまり悪影響は時間差でやってくるだけのことで、物価には持続的な上昇圧力がかかる。
だからこそ、大半とは言わないまでも多くのエコノミストが、ガス依存度が高く、経済規模が欧州でそれぞれ第1位と第4位のドイツとイタリアが間もなく景気後退に突入すると見込んでいる。
<心強い材料>
同じく米国も景気後退入りの公算が強まっているものの、欧州とはその原因がかなり異なる。
米国は労働需給の逼迫(ひっぱく)と賃金の急上昇に見舞われ、米連邦準備理事会(FRB)が迅速な利上げを進めるとともに、物価上昇を抑えるためには景気後退を招く危険をあえて避けない覚悟を明確に示している。
対照的に欧州中央銀行(ECB)はこれまで1回利上げして政策金利をゼロに戻したに過ぎず、今後も慎重な引き締めペースを維持するだろう。
イタリアやスペイン、ギリシャなど多額の債務を抱えるユーロ圏諸国は、借り入れコストが上がれば借金返済を続けられなくなるのではないかとの懸念が増大しかねない、と肝に銘じているからだ。
だが、欧州が景気後退に入るとしても、いくつかの心強い材料は備わっている。
域内の雇用水準は過去最高に達しており、企業は何年も前から広がっている働き手不足に悪戦苦闘中。さらに景気悪化局面を迎えるに際して、企業が比較的しっかりした利益率を保ったままである点からすれば、雇用維持には積極的になるだろう。
そうなれば購買力は痛手を受けず、景気の落ち込みが相対的に小さくなり、足元で過去最低の失業率はさほど上がらなくて済む。
ECBのシュナーベル専務理事はロイターに「引き続き労働力が大幅に足りず、失業率は歴史的低さで、求人件数は非常に多い。これは恐らく、われわれが景気下降局面に突入しても、企業は広範な規模での人員削減をかなりためらう可能性を示唆している」と述べた。
(Balazs Koranyi記者)
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