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概要:[日経平均株価・TOPIX(表)]日経平均;27767.07;-232.89TOPIX;1930.22;-6.80[後場の投資戦略]前日に終値で僅かに28000円を割り込んだ日経平均は、本日も指数寄与
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27767.07;-232.89TOPIX;1930.22;-6.80
[後場の投資戦略]
前日に終値で僅かに28000円を割り込んだ日経平均は、本日も指数寄与度の大きい半導体関連株の下落に押される形で、値幅を伴った下落となっており、28000円回復が遠のく形となっている。
半導体業界では、一昨日のエヌビディアの市場予想を大幅に下回る決算に続き、昨日はマイクロン・テクノロジーによる業績見通しの引き下げというネガティブなニュースが続いた。
マイクロンは顧客の在庫削減を理由に、6-8月の売上高見通しを従来の会社予想レンジの下限、ないしそれを下回る可能性があると示した。
前回の弱気な見通しを示したのは僅か1カ月前のことだ。
また、先んじて需要が減速していた民生向け市場だけでなく、データセンター用や産業用、車載向け用など、これまで堅調とされてきた市場でも調整が広がっており、需要の一段の減少の可能性も示唆された。
東エレクも一昨日の決算において、市場見通しを期初に提示した水準から下方修正した。
業界の急速な冷え込みがひしひしと伝わっており、一時後退していた景気後退懸念が再び頭をもたげている。
一方、今晩には米7月消費者物価指数(CPI)、明日には米7月生産者物価指数(CPI)と重要インフレ指標の発表を控えている。
東京市場は明日が祝日で休場となるため、これら両インフレ指標の結果を受けた2日分の米株式市場の動きを祝日明けに反映することになる。
結果を受けた相場のボラティリティの高まりを警戒する投資家が多く、イベント前に持ち高を大きく傾ける向きは限られ、指数の下落率はさほど大きくなっていない。
ただ、指標結果がネガティブなものとなれば、一段の下落は否定できないだろう。
また、機関投資家の多くが夏休み入りしている。
市場参加者が少なくなっている中、逆張り志向の強い個人投資家の存在感が相対的に増している。
これら個人投資家が、昨日からの下落局面において、日経レバETF (TYO:1570)の空売りや日経ダブルイン<
1357>の買い持ち高を手仕舞っていることも、指数の底堅さに繋がっていると考えられる。
ただ、裏を返せば、機関投資家が戻ってくる8月後半から9月以降には相場の波乱が待ち構えているとも言える。
前日の当欄「インフレ巡る楽観論の危うさを今一度考えたい」において述べた通り、インフレを巡る環境はほとんど改善していないと考えられ、仮に、今夜から明日にかけての米インフレ指標が前月から予想以上に減速したとしても、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ転換期待を高めるには依然として材料不足であることには変わりはない。
利上げペースの減速ですら、期待値を高めるには時期尚早と思われ、指標結果を受けた初動がポジティブなものであったとしても、現在の株価指数の水準を踏まえれば、ここからの上値追いには慎重になった方がよいだろう。
後場の東京市場は軟調もみ合いか。
国内の祝日、米重要インフレ指標を前に持ち高を動かしにくく、様子見ムードが支配的となりそうだ。
(仲村幸浩)
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