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概要:イエレン米財務長官は今週、インフレの見通しについて間違っていたと率直に認めた。米経済が来年ないし2年後に景気後退(リセッション)に突入するなら、米連邦準備理事会(FRB)もイールドカーブの警告を軽視したのは誤りだったと言わなければならなくなるかもしれない。
[オーランド(米フロリダ州) 2日 ロイター] - イエレン米財務長官は今週、インフレの見通しについて間違っていたと率直に認めた。米経済が来年ないし2年後に景気後退(リセッション)に突入するなら、米連邦準備理事会(FRB)もイールドカーブの警告を軽視したのは誤りだったと言わなければならなくなるかもしれない。
イエレン米財務長官は今週、インフレの見通しについて間違っていたと率直に認めた。米経済が来年ないし2年後に景気後退(リセッション)に突入するなら、米連邦準備理事会(FRB、写真)もイールドカーブの警告を軽視したのは誤りだったと言わなければならなくなるかもしれない。ワシントンで1月26日撮影(2022年 ロイター/Joshua Roberts)
米国債のイールドカーブ上で10年ゾーンの利回りが2年ゾーンを下回る現象は、さまざまな長短利回り逆転(逆イールド)の中でも市場関係者が最も注目する現象で、過去40年間全てのリセッションに先行するという信頼すべき先行指標としての性質を備えている。
ところがFRBが今年発信した情報は、エコノミストの論文からパウエル議長を含めた政策担当者の公式発言までいずれも、現在の経済と市場の環境で2─10年の逆イールドがリセッションを予言する力を否定しようとする内容だ。
2─10年の逆イールドは3月下旬と4月初めに、一時的ながらも2019年以降で初めて発生。確かに当時は、来年リセッションに陥る可能性はありえないとみなされたし、向こう2年で考えてもリスクは小さかった。
しかし今は事情が変わっているようだ。FRBは40年ぶりの高い伸びとなっている物価上昇率を抑え込むために何でもやると繰り返し約束し、その結果として市場は全般的に金利上昇方向で調整が進み、金融環境が劇的に引き締まるとともに、資産価格が押し下げられた。
実体経済の地合いも悪化している。消費者信頼感はリセッション局面で典型的に見られる水準まで落ち込み、住宅市場は減速に転じ始めている。ロイターが5月に行ったエコノミスト調査では、リセッションが起きる確率の予想は1年以内が25%、2年以内では40%に高まった。
ドイツ銀行は現在、来年末までにリセッションになる展開を基本シナリオとしている。ウェルズ・ファーゴのエコノミストチームに至っては年内のリセッション襲来を予測。JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は1日、経済の地平線上に見えるのはもはや単なる「雨雲」ではなく「ハリケーン」だと警鐘を鳴らした。
こうした雰囲気は、担保付き翌日物調達金利(SOFR)で見た市場の政策金利見通しにも反映されつつあり、足元では来年後半に25ベーシスポイント(bp)の利下げが織り込まれた。
諸々の不安が現実の出来事で裏付けられるかはまだ分からない。ただ方向性ははっきりしているのではないか。もしもFRBがインフレを抑えるために金融政策を引き締め的な領域に入れたとすれば(そうなる公算は大きいが)、2-10年の一時的な逆イールドも、FRBの金融政策が引き締め的な領域に入るのを予見したと改めて証明される可能性がある。
ウニクレディトのクロス資産ストラテジスト、エリア・ラットゥーガ氏は「2-10年の逆イールドは1つの指標にすぎないが軽視しない。市場の価格調整と最近の動きから判断すれば、リセッションが避けられるというのは楽観的なケースになる」と指摘した。
<素直さが大事>
パウエル氏は3月、2─10年の逆イールドの重要性を否定し、むしろ3カ月物財務省証券(Tビル)と18カ月後3カ月Tビルの利回り差(スプレッド)こそ、景気動向を「100%」説明できるイールドカーブの領域だと主張した。
またFRBのスタッフは2018年に公表した論文を3月に更新。やはり向こう18カ月までのイールドカーブの方がリセッションの指標としては「ずっと正確」で、2─10年のスプレッドの信頼性は疑わしいとの見解を示した。
2─10年が逆イールドとなった際も、3カ月―18カ月後3カ月のスプレッドは、18年の論文でリセッションを予測する上で最も信頼性が高いもう1つの領域に挙げられた3カ月─10年のスプレッドとともにスティープ化(利回り差拡大)が進んだ。
2人の論文執筆者はこの問題を先月にもう一度取り上げ、3カ月─10年のスプレッドに基づく来年のリセッション確率は依然として低いとの結論を下している。同スプレッドは現在約180bpで、逆イールド化には程遠い。
ウニクレディトのラットゥーガ氏も、3カ月─10年スプレッドで見た向こう12カ月のリセッション確率は5%と非常に低いと認めつつも、2─10年スプレッドで判断すれば確率は40%強に高まると説明した。つまり、米国債市場からはまたしても矛盾するシグナルが出てきている。
もっとも3カ月物Tビル利回りはFRBの政策金利(現在0.75─1%)と緊密に連動している以上、10年ゾーンとの逆イールド化によってリセッションリスクを警告するには、利上げサイクルがもっと大幅に進行する必要がある。
では今年ないし来年、リセッションが実際に到来したとして、パウエル氏はインフレ問題に関するイエレン氏の行動にならって、イールドカーブについての判断ミスを全面的に認めるだろうか。
コンサルティング企業サトル・エコノミクスの創設者フィル・サトル氏は、ここで大事になるのが謙虚さだと話す。
サトル氏は1日、「過ちを素直に認める文化が、特に金融政策担当者の間にもっと広がってほしい。それは金融政策でできることとできないことを巡る規律と知見を再定義するのに役立つだろう」と記した。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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