ブラジル中銀、100ｂｐ利上げ 小幅な追加引き上げ示唆

［ブラジリア ４日 ロイター］ - ブラジル中央銀行は４日の金融政策委員会（ＣＯＰＯＭ）で政策金利を１００ベーシスポイント（ｂｐ）引き上げ、１２．７５％とすることを決めた。利上げは１０会合連続。来月の会合ではより小幅な利上げを行う可能性を示唆した。

５月４日、ブラジル中央銀行は政策金利を１００ベーシスポイント（ｂｐ）引き上げ、１２．７５％とすることを決めた。来月の会合ではより小幅な利上げを行う可能性を示唆した。

今回の利上げにより、政策金利は５年ぶりの高水準となった。ロイター調査ではエコノミスト３２人全員が１００ｂｐの引き上げを予想していた。

声明では「委員会は次回の会合について、より小幅な調整で（利上げ）サイクルが延長される可能性があると予想している」とし、今回で打ち止めとはならない可能性を示唆した。

今回の声明は、インフレリスクに関する「上向きの非対称性」という文言を削除する一方、より大幅な景気減速のリスクに言及するとともに、景気を判断する上で「平静さ」が必要だと強調した。

バンコ・ファトルのチーフエコノミスト、ジョゼ・フランシスコ・ゴンカルベス氏は、声明では次回の利上げの可能性について以前ほど断定的でなかったと指摘し、「（６月に）５０ｂｐの追加利上げを実施して様子を見よう、というシグナルに見える」と述べた。

ロベルト・カンポス・ネト中銀総裁は３月下旬、利上げが５月で打ち止めになる可能性を示唆しつつも、市場に予想外の混乱が生じた場合の追加利上げに含みを残していた。

ブラジルの消費者物価指数（ＣＰＩ）は４月半ばまでの１年間で１２％上昇し、伸び率は２０２２年末目標の３．５％を大幅に上回っている。

中銀の民間エコノミスト調査によると、来年のＣＰＩ上昇率は４．１％と予想されており、２３年の公式目標（３．２５％）から乖離している。

クレディ・スイス・ブラジルのチーフエコノミスト、ソランジ・スルール氏は、この乖離を踏まえ、当局者は６月の追加利上げで打ち止めとすべきか、その後より小幅な利上げをもう１回行うべきか確信が持てないようだと指摘。「２３年のインフレ率予想は引き続き上昇していく見込みのため、利上げサイクルは８月まで延びるだろう」と述べた。