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概要:ロシアのプーチン大統領がついに後戻りできない一線を越えた。ポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を止め、他の欧州諸国に対してルーブルで代金を払えという自らの要求に従うか、ガス供給停止措置を受け入れるか迫っているからだ。これで欧州連合(EU)は否応なく、その団結力を試される重大な局面に突入する。
[ロンドン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシアのプーチン大統領がついに後戻りできない一線を越えた。ポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を止め、他の欧州諸国に対してルーブルで代金を払えという自らの要求に従うか、ガス供給停止措置を受け入れるか迫っているからだ。これで欧州連合(EU)は否応なく、その団結力を試される重大な局面に突入する。
4月27日、ロシアのプーチン大統領がついに後戻りできない一線を越えた。
ロシアはウクライナに侵攻を開始してからこれまでは、欧州向けに年換算でおよそ1000億立方メートル相当のガスを輸出してきたし、EUはロシア産エネルギーの直接的な輸入禁止に踏み切るのを避けてきた。理由は非常に分かりやすい。つまりロシアが昨年のガス販売で得た収入は540億ドルに上る一方、EUは域内の年間ガス輸入量の3分の1強をロシアから購入しているということだ。
ある面では、EUが次にどう動くべきか明確なはずだ。ルーブルで支払いをしない国へのガスを止めるという脅しを必ず実行してやるというプーチン氏の強い決意からは、ロシア産ガスに100%依存しているブルガリアだけでなく、他の欧州諸国が次の標的になるであろうことがうかがえる。そこでEUがプーチン氏の要求を拒否すれば、西側がロシアの戦費を提供するという何とも決まりの悪い状態には終止符が打たれる。
もっともプーチン氏は、実際の話がそんな単純ではないと百も承知している。ポーランドはロシア産ガスへの依存度が50%を下回り、ガス貯蔵率は75%に達する。しかしAGSIによると、EU全体の貯蔵率はわずか32%だ。Breakingviewsの計算に基づけば、EUが秋までに貯蔵率を80%に高めるには、500億ユーロもの費用がかかるばかりか、米国から液化天然ガス(LNG)を500億立方メートル相当輸入しなければならない。さらにライスタッド・エナジーの試算では、欧州の消費者は15%余りもガス使用量を減らさなければならないかもしれない。
だからガス輸入の5割超をロシアに依存するドイツのショルツ首相などは、何とかうまい方法を見つけ出したくなるのではないか。ドイツのエネルギー大手ユニパーは、経済制裁に抵触せずに交渉を通じてプーチン氏が要求するルーブル建て支払いに応じることは可能だとみているし、ブルームバーグが伝えたところでは、欧州の複数の大手企業が既にルーブル決済を行っている。こうした中で、エネルギーの割り当てや最も痛手を受けた加盟国を支援する共通財源の創出といったEU全体での対応策を巡って協調態勢を整えるのは、より一層難しくなる。ただ、EUが危機においてこれらの措置を講じられないとすれば、一体何のために存在するのかと問い詰められても仕方がないだろう。
●背景となるニュース
*ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムは27日、ポーランドとブルガリアにガス供給を停止すると通知した。期限までにロシアが求めるルーブル建ての支払いが履行されなかったためだ。
*ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以降、ガス供給を停止されたのはこの2カ国が初めて。ポーランドのガス企業はガスプロムからの供給が途絶したと認めたが、顧客には必要に応じて供給しているとコメントした。
*ブルガリアのガス企業幹部はロイターに、ブルガリアへの供給はなお続いていると語った。ハンガリーとオーストリアも、ガス供給は正常だと述べた。
*欧州連合(EU)欧州委員会は先週、天然ガス購入代金をルーブルで支払えというロシアの要求について、域内企業がまずユーロもしくはドルで支払い、その後にルーブルへの換金を要請すれば、制裁措置に違反しないのではないかとの考えを示した。
*欧州天然ガス価格の指標となるオランダTTFガス先物は27日午前、1メガワット時当たり93ユーロから115ユーロ強に跳ね上がった。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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