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概要:[東京 5日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は5日、衆院・財務金融委員会で、最近の為替変動は「やや急ではないかと思っている」と述べた。財務官として為替介入に携わった経験を踏まえ、為替介入の効果はな
[東京 5日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は5日、衆院・財務金融委員会で、最近の為替変動は「やや急ではないかと思っている」と述べた。財務官として為替介入に携わった経験を踏まえ、為替介入の効果はなかなか一概に測れないと指摘。為替相場は経済・金融のファンダメンタルズを反映して安定して推移することが望ましいとの見解を改めて示した。
黒田総裁は為替相場について、ロシアによるウクライナ侵攻当初はリスク回避でドルと円がともに買われ、ドル/円は安定していたが、最近では米経済の堅調推移による米金利上昇や資源高に伴う輸入企業のドル買い増加でドル/円が上昇したとの見方が市場では多いと説明した。
「円安が日本経済に全体としてプラスに作用しているという基本的な認識に変わりない」と話し、「為替円安の影響が業種や企業規模、経済主体によって不均一だということには十分留意が必要だ」と改めて述べた。
黒田総裁は、急激な長期金利の上昇には指し値オペも使って長期金利が安定推移するよう金融政策運営に当たると説明。2月の国会で、指し値オペは「ラストリゾート(最後の手段)」だと述べ、謙抑的な姿勢を示したが、自身の発言は「適切でなかったかもしれない」と話した。
黒田総裁は同日、「通貨および金融の調節に関する報告書」(半期報告)について説明し、ロシアのウクライナ侵攻を受けて国際金融市場は不安定な動きが続いていると話した。また「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと2%の物価安定目標の実現に向けて、強力な金融緩和を粘り強く続けていく」と述べた。
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比はエネルギー価格の大幅上昇や価格転嫁の進展、携帯料金値下げの影響剥落で「プラス幅をはっきり拡大する」と予想。エネルギー価格が大幅に上昇し、原材料コスト上昇の価格転嫁も進むもとで、「基調的な物価上昇圧力は高まっていく」との考えを示した。
景気の現状については「新型コロナウイルス感染症の影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している」、「海外経済は、国・地域ごとにばらつきを伴いつつ、総じてみれば回復している」とした。
輸出や生産は、供給制約の影響を残しつつも、基調としては増加を続けているとした。個人消費は、年始以降のオミクロン株流行による下押し圧力の強まりから、持ち直しが一服していると指摘した。
(和田崇彦、竹本能文)
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