简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米株式市場は不安定な値動きとなった第1・四半期が幕を閉じ、投資家は今後数カ月の支援材料探しに余念がないが、企業が抱える高水準のキャッシュは相場を支える材料の1つに
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米株式市場は不安定な値動きとなった第1・四半期が幕を閉じ、投資家は今後数カ月の支援材料探しに余念がないが、企業が抱える高水準のキャッシュは相場を支える材料の1つになりそうだ。経営陣が潤沢なキャッシュを自社株買い、配当、合併・買収(M&A)などに充てる可能性があるためだ。
S&P総合500種指数は第1・四半期に新型コロナウイルスの世界的大流行が始まって以来初めて四半期としてマイナスとなった。ただ、3月には持ち直し、年初来の下落率は第1・四半期中の最安値の際に記録した12.5%から5%程度にまで縮小した。
株式市場の先行きには、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに伴う金利上昇、インフレ率の急上昇、ウクライナ紛争を巡る不透明感など、依然として不安材料が多い。ただ、企業のキャッシュ投入能力は投資家のこうした不安を和らげるのに役立ちそうだ。
トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー共同最高投資責任者は「キャッシュの水準は、かなり高かった昨年からは下がっているが、コロナ禍のレベルをはるかに上回っており、自社株買い、配当、M&Aなど株主に好感される活動を支える材料になる」と述べた。
企業の第1・四半期決算が発表される数週間後にはキャッシュの利用計画がより明確になる可能性がある。リフィニティブ・IBESによると、S&P500構成企業の利益は同四半期に6.4%増加する見通し。
企業はコロナ禍の際に支出に慎重になったためキャッシュの水準が上昇したが、キャッシュフローマージン(売上高に対する現金収支の比率)は過去10年間に拡大傾向にあるとストラテジストは指摘する。
トゥルーイストによると、S&P500企業のバランスシート上のキャッシュは2021年初頭に2兆ドル強でピークに達して以降、減少して足元では約1兆9000億ドルまで減っているが、コロナ禍前に当たる19年末の1兆5000億ドルを依然として大きく上回っている。
クレディ・スイスのシニア株式ストラテジスト、パトリック・パルフリー氏は「バランスシート上の手元資金であれ、必要に応じて資本市場で調達する能力から想定される資金であれ、企業のキャッシュ水準は非常にしっかりと保たれている」と述べた。
クレディ・スイスのストラテジストチームは最近のリポートで、「今後12─24カ月間に自社株買いと配当の両方が増加し、EPS(1株当たり利益)と株価を押し上げると予想される」と説明した。
S&Pダウジョーンズ・インディシーズによると、S&P500種企業の2021年の自社株買いは8817億ドルで、前年から70%近く増加して過去最高を更新した。
トリムタブズによると、今年の発表ベースの自社株買いは昨年を上回るペースで推移しており、3月29日時点で2989億ドルと、前年同期の2698億ドルを超えている。
ゴールドマン・サックスは2022年に企業が最大の株式の需要源になると見込んでおり、先に今年のS&P500種企業の自社株買いの予想額を1兆ドルに上方修正。最近のリポートで「高いキャッシュバランスと堅調なEPSの伸びが、今年の企業からの堅調な需要を支えるだろう」と予測した。
一方、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は、自社株買いが「株式の弱気相場入りを防いだり、大幅な上昇をさらに後押したりするほど大きな規模になるかどうか」は疑わしいと見ている。
「しかし、実際に自社株買いが記録的なペースで続けば、株価にとって好ましく、安定した追い風になる」と言い、「支援材料であり、プラスに働くのは間違いない」とした。
バイデン米大統領が先に公表した2023年度予算教書は企業の自社株買いを標的にしており、企業が経営陣に恩恵をもたらすための自社株買いの原資に利益を充当する動きを阻止することを目指している。
リフィニティブ・ディールズ・インテリジェンスによると、米国の昨年のM&Aは総額2兆5000億ドルと、1980年の統計開始以来で最大だった。
今年はこれまでのところ、米国のM&Aは昨年と比較して減速しており、ディールズ・インテリジェンスによると、前年同期比20%減の5168億ドルにとどまっている。投資家は企業がM&Aのペースを再び上げるかどうかを見極める意向だ。
アローン氏はキャッシュの利用について、「M&Aと自社株買いは、いずれも経営者の自信を示すもので、変動が大きい」と指摘。「どちらも過去最高を更新しており、この傾向が続くようなら、市場にとって良い兆候になるのは間違いない」とした。
一部の市場関係者は、大量のキャッシュが市場に与える影響が過大評価されることを警戒している。
最近では米国債の利回り曲線が逆イールドとなり、経済成長に対する懸念が再燃した。逆イールドはこれまで景気後退の予兆となっていた。実際、こうした動きを受けて、企業はキャッシュの投入に慎重になるのではないかとの声も聞かれる。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル・マーケット・ストラテジスト、サミア・サマナ氏は、手元のキャッシュが増えて景気減速を乗り切る企業が増えるかもしれないが、株価下落を食い止めるほどではないかもしれないと考えている。
「次の景気後退を乗り切れる企業が増えるかもしれないが、だからといって次の景気後退時に株価が大きく下がる可能性がないとは言えない」と話した。
(Lewis Krauskopf記者)
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。