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概要:[東京 24日 ロイター] - 日銀が1月17―18日に開催した金融政策決定会合では、物価の先高観や金融政策の修正観測が高まる中、日銀が金融緩和を継続する方針を対外的に丁寧に発信していくことの重要性が
[東京 24日 ロイター] - 日銀が1月17―18日に開催した金融政策決定会合では、物価の先高観や金融政策の修正観測が高まる中、日銀が金融緩和を継続する方針を対外的に丁寧に発信していくことの重要性が多くの委員から指摘されていた。24日に公表された決定会合の議事要旨で判明した。
会合では現状の金融緩和の継続を賛成多数で決定。「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を改訂し、2022年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しを前年度比プラス1.1%に引き上げた。物価見通しのリスクは「上下にバランスしている」とし、14年10月以降の「下振れリスクの方が大きい」から文言を変更した。
会合では、何人かの委員が「消費者物価が2%の物価目標を安定的に持続するまで金融緩和を続けるとの方針を、誤解がないようしっかりと情報発信していくことが重要だ」と述べた。1人の委員は、今後物価上昇が家計の実質所得などに与える負の影響に注目する議論が増えてくる可能性があるとした上で「金融緩和政策を継続する意図が、物価上昇だけではなく賃金上昇を伴った成長経路への復帰にあることを丁寧に説明するべきだ」と話した。
1人の委員は、現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとでは「量が市場動向などによって短期的には変動しうること、オーバーシュート型コミットメントは量の長期的な拡大方針を示していることを改めてしっかりと説明する必要がある」と指摘。「感染症対応策からの出口と金融緩和政策の出口を明確に分けるような対外コミュニケーションが重要だ」ともう1人の委員が述べた。
<価格転嫁は進むか>
企業の価格転嫁について、ある委員は「コロナ禍を契機に多くの企業がデフレ期において有効だった薄利多売型のビジネスモデルの限界を認識し、価格設定行動を変化させることで、物価上昇圧力が強まっていく」との見方を示した。
別のある委員は「最近、値上げを表明した企業の株価が上昇する傾向がみられる」と指摘。「市場が値上げ力に注目している現状では、値上げの動きが今後さらに広がり、中長期の予想インフレ率の上昇につながる可能性がある」と述べた。
一方、1人の委員が「足もとのGDPデフレーターの低下は、輸入物価の上昇を国内の販売価格に十分に転嫁できていないことを示している」と指摘。物価動向の判断にあたっては、消費者物価の基調的な変化に加え「GDPデフレーターや雇用・所得動向など幅広い指標をみていく必要がある」とした。
「生活に身近な幅広い財の価格が上昇し、統計上のインフレ数値と生活上のインフレ実感のかい離が広がる可能性があり、注意する必要がある」(ある委員)との指摘もあった。
賃上げについて、1人の委員は「日本では欧米に比べて賃金上昇のハードルは高いが、労働需給のひっ迫が臨界点に達した場合、賃上げが急速に広がる可能性がある」と話した。
<為替の影響、「一段と複雑化」>
為替円安の日本経済への影響について、1人の委員は「日本企業は、生産、販売、投資、資金管理の各方面で海外での活動を拡大・高度化させており、為替変動の影響は以前と比べて一段と複雑化している」と述べた。
何人かの委員は、米国の金融緩和縮小で資産価格が調整するリスクに警戒感を示した。
(和田崇彦)
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