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概要:(本文中の一部表記を修正しました。) [ロンドン 12日 ロイター] - ロシアにとってのウクライナ侵攻の経済・金融的代償がこれから、いよいよ明らかになっていきそうだ。これまで考えられもしなかったロ
(本文中の一部表記を修正しました。)
[ロンドン 12日 ロイター] - ロシアにとってのウクライナ侵攻の経済・金融的代償がこれから、いよいよ明らかになっていきそうだ。これまで考えられもしなかったロシア国債の債務不履行(デフォルト)が現実味を帯び、中央銀行のさらなる緊急措置導入が予想される。停止している株式市場も再開したなら暴落間違いなしだからだ。
侵攻によってロシアは西側諸国から世界金融市場の主要部分へのアクセスを断たれ、1991年のソ連崩壊以来の経済危機を引き起こしつつある。
次の節目は3月16日に来る可能性がある。ドル建て国債2本で計1億1700万ドルの支払い期限を迎えるためだ。もっともロシア政府は支払わない意向を既に示している。払うならルーブル建てだとしているが、これもデフォルトに等しい。技術的には30日間の返済猶予期間があるが、これはあまり意味を持たない。支払いがなければ、約100年前のロシア革命時以来のロシアの国際的なデフォルトになる。
S&Pグローバルの首席アナリスト、ロベルト・シフォン氏は「デフォルトはかなり差し迫っている」と指摘した。同社はロシア国債の大幅な格下げを断行している。
ロシアのガス大手ガスプロムと石油大手ロスネフチはここ数日で、債券の国際的な支払いをした。制裁をまだ逃れている政府の準備高が約2000億ドルあり、これがデフォルトは起きないかもしれない一縷の望みともなっている。ただ、デフォルト回避の見通しは険しそうだ。
ロシア中銀は12日、モスクワ証券取引所の株式売買を14─18日も一部例外を除き停止すると発表した。停止中の株式・債券取引が再開された場合、少なくとも短期的に混乱の極みになるのは間違いないだろう。ロンドンやニューヨークの市場に上場していたロシア大手企業は侵攻に際し、上場株の価値が実質ゼロまで下がり、取引が停止される経験をしている。
ラボバンクの通貨ストラテジスト、ジェーン・フォレイ氏は「ロシアの資産を持ったままになっている金融機関は多い。どこも処分したいのにできないでいる」と語る。「事実上、塩漬け以外に選択肢がない。つまり、取引ができるようになった途端、売りがいつまでも続く可能性があるということだ」という。
<景気後退>
話はここで終わりそうにない。ロシア中銀は18日に理事会を開く。金融危機を回避しようと既に主要政策金利を一気に20%に引き上げ、幅広い資本統制策も導入している。
西側のJPモルガンなどは、銀行取り付けの懸念や制裁の打撃、ルーブル急落に連鎖的なインフレが相まって、今年のロシア経済成長がマイナス6%になると予想している。年初時点ではプラス3%と予想されていた。景気の山から谷への変化率は約12%にも及ぶことになる。1998年のルーブル危機時のマイナス10%や、その後の世界金融危機でのマイナス11%、コロナ危機でのマイナス9%より悪化することになる。
BCAリサーチの新興国市場主任ストラテジスト、アーサー・ブダヒャン氏は「ロシア中銀はさらに少し利上げするかもしれない。そうみるのが最も妥当だろう」と指摘。この時点でさらにもっと大々的な動きに出るとすれば、金融システムを守るべくさらなる資本統制策が取られる可能性もあると予想した。
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