ドルの関心はウクライナから米金融政策へ、ＣＰＩでインフレ確認＝来週の外為市場

ロイター編集

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［東京 ４日 ロイター］ - 来週の外為市場では、ドル／円についての関心はウクライナ情勢から徐々に米国の金融政策に移るとみられている。米国の２月消費者物価指数（ＣＰＩ）でインフレの加速が確認されれば、ドルは１１６円台への上昇余地が出てきそうだ。ただ、ウクライナ情勢は引き続き予断を許さず、事態が深刻化するようであればユーロなどには下押し圧力がかかりやすい。

来週の外為市場では、ドル／円についての関心はウクライナ情勢から徐々に米国の金融政策に移るとみられている。写真はドル紙幣、２０２０年５月撮影（２０２２年 ロイター／Dado Ruvic）

予想レンジはドルが１１４．２５━１１６．３０円、ユーロが１．０８９０―１．１３１５ドル。

市場は引き続きウクライナ情勢には神経質だが、ドルを取り巻く材料としては米金融政策に再度焦点が移りそうだ。

ウクライナを巡る有事は、流動性が高く安全通貨とされるドルの買いと同時にリスク回避の円買いにもつながり、「ドル／円の方向感に響かない」（三菱ＵＦＪモルガンスタンレー証券・チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏）状況となっている。

その中で、再来週の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）を前に米経済指標の内容で今後の利上げペースやドル／円の方向性を見極めたいという雰囲気になりやすいという。

注目の指標は４日公表の２月米雇用統計と１０日のＣＰＩで、雇用統計については「平均時給が堅調に伸びれば、３月の利上げが５０ベーシスポイント（ｂｐ）になるとの思惑からドルは１１５円後半まで上昇する可能性がある」（楽天証券・ＦＸディーリング部、荒地潤氏）との声が出ている。

ＣＰＩも、インフレ加速が確認されれば「米連邦準備理事会（ＦＲＢ）メンバーによる金利見通し（ドットチャート）が上方修正されるとの思惑で、ドル高／円安に反応するだろう」（三菱ＵＦＪモルガンスタンレー証券の植野氏）という。

ＦＯＭＣでドットチャートを確認するまでは直近のレンジの上限を超えてドル高が進むことはないにしても、１１６円前半までは上値を伸ばす可能性があると植野氏はみている。

１月の米ＣＰＩは前年同月比７．５％上昇し、１９８２年２月以来、約４０年ぶりの上昇幅を記録した。

ユーロは引き続きウクライナ情勢に神経質な展開が続くとみられ、一段安となる可能性もある。

来週は欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会が開かれるが、ウクライナ情勢の悪化により「従来のようにＥＣＢがタカ派姿勢を維持するのは難しい。インフレの高止まりが続くが、今の状況で利上げを示唆すると欧州のスタグフレーションが懸念される」（ソニーフィナンシャルグループのアナリスト、森本淳太郎氏）という。

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