米国株式市場＝Ｓ＆Ｐ続落、ウクライナ情勢緊迫で

［ニューヨーク １４日 ロイター］ - 米国株式市場は、Ｓ＆Ｐ総合５００種が続落して取引を終えた。米国がウクライナの首都キエフにある米大使館を閉鎖するとの発表を受けて地政学的緊張を巡る懸念が高まり、午後終盤に大きく売り込まれる場面があったが、その後下げ幅を縮小して引けた。

ブリンケン米国務長官は１４日、「ロシア軍部隊増強の劇的な加速」を踏まえ、在ウクライナ米大使館に残っている職員をキエフから西部リヴィウに移転させると発表。これを受け、主要株価３指数がいずれも一時大幅に下落した。

ダウ工業株３０種とＳ＆Ｐ５００はマイナス圏で引け、ナスダック総合はほぼ横ばいとなった。

米連邦準備理事会（ＦＲＢ）による積極的な政策を巡る懸念も、最近のボラティリティーの一因となっている。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は、昨年１０月から今年１月にかけて４カ月連続でインフレ指標が力強かったことで、一段と速いペースでの利上げが正当化されるとし、７月１日までに１００ベーシスポイント（ｂｐ）の利上げが実施されるとの見方を改めて示した。

キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「市場では多くの流れが交差しており、多くの潜在的な悪材料が見られる」と述べた。

Ｓ＆Ｐ５００の主要１１部門では、一般消費財と通信サービスを除く全部門が下落。エネルギーの下げが最も大幅となった。

第４・四半期決算はＳ＆Ｐ５００構成企業のうち３５８社が発表を終え、終盤に差し掛かりつつある。今週はエヌビディアやウォルマートなどが発表を予定している。

ファイザーは他の新型コロナウイルスワクチンメーカーと同様に下落し、１．９％安となった。モデルナは１１．７％、ジョンソン・エンド・ジョンソン（Ｊ＆Ｊ）は１．３％、ノババックスは１１．４％、それぞれ下落した。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を２．８０対１の比率で上回った。ナスダックでも２．１７対１で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は１１３億２０００万株。直近２０営業日の平均は１２６億７０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 34566.17 -171.89 -0.49 34694.50 34744.56 34304.28

前営業日終値 34738.06

ナスダック総合 13790.92 -0.24 0.00 13768.97 13921.71 13664.76

前営業日終値 13791.15

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4401.67 -16.97 -0.38 4412.61 4426.22 4364.84

前営業日終値 4418.64

ダウ輸送株２０種 15120.08 +119.86 +0.80

ダウ公共株１５種 917.29 -7.48 -0.81

フィラデルフィア半導体 3370.20 +4.95 +0.15

ＶＩＸ指数 28.33 +0.97 +3.55

Ｓ＆Ｐ一般消費財 1431.82 +8.30 +0.58

Ｓ＆Ｐ素材 523.37 -4.58 -0.87

Ｓ＆Ｐ工業 836.78 -3.37 -0.40

Ｓ＆Ｐ主要消費財 782.39 -2.27 -0.29

Ｓ＆Ｐ金融 658.78 -7.47 -1.12

Ｓ＆Ｐ不動産 281.69 -2.91 -1.02

Ｓ＆Ｐエネルギー 522.66 -11.99 -2.24

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1501.72 -16.61 -1.09

Ｓ＆Ｐ通信サービス 235.28 +0.76 +0.33

Ｓ＆Ｐ情報技術 2716.60 -0.89 -0.03

Ｓ＆Ｐ公益事業 337.33 -2.71 -0.80

ＮＹＳＥ出来高 11.22億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27065 - 35 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 27055 - 45 大阪比