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概要:[ニューヨーク 7日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは7日、中南米と欧州の新興国の銀行は発展途上国の中で最もドル化しており、米利上げが迫る中で現地通貨の下げと預金引き出しの増加に脆弱になってい
[ニューヨーク 7日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは7日、中南米と欧州の新興国の銀行は発展途上国の中で最もドル化しており、米利上げが迫る中で現地通貨の下げと預金引き出しの増加に脆弱になっていると発表した。
米利上げは新興国への資本流入を減速させ、各国の通貨と経済成長を弱め、ドル化が進んだ銀行の信用リスクの引き金になる可能性があると指摘。「外貨建ての融資や預金をバランスシートに大量に抱える銀行は、現地通貨の価値が急落した場合に貸倒損失が急増し、収益性や流動性に圧力がかかりやすい」とした。
また「ヘッジしていない借り手は外貨建て融資を返済するのが難しくなり、預金者は資金を引き揚げやすくなる。ドル化が進めば危機の際に中央銀行がドル不足に陥った銀行を救済するための外貨準備高が不足し、金融の安定を脅かすことにもなる」とした。
ムーディーズによると、ドル預金は中南米諸国、欧州の新興国、旧ソビエト連邦諸国の銀行が最も多い一方、アジア太平洋地域では比較的少なく、アフリカは中程度という。湾岸諸国も高水準だが、外貨準備高が多いため相殺されているとした。
このほか「個人の預金者は通貨安とインフレから貯金を守るために現地通貨預金の大部分を外貨(主に米ドル)にし続けている」と言及。「公共政策や中央銀行への信頼がさらに悪化すれば、ドル預金が一段と流出する可能性がある」一方で、中銀には危機の際に銀行を支援するための外貨準備がほとんどないと指摘した。
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