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概要:今、物流業界は大きく変わろうとしている。各社、配送システムのデジタル化、倉庫内のオートメーションなど新たな技術を導入しながら、ライフラインとしての物流を守りつつ業務を進化させていく取り組みに必死だ。そんな物流の現場は今、どうなっているのか──。日本を代表するメーカーの物流子会社を次々にM&Aで招き入れ、幅広いソリューションを持つ「物流業界のメガベンチャー」、SBSグループの現場社員4人に物流業界
SBSリコーロジスティクスの「物流センター横浜金沢」では、自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」をASEAN地域最大級の規模で導入し生産性を高めている。
今、物流業界は大きく変わろうとしている。各社、配送システムのデジタル化、倉庫内のオートメーションなど新たな技術を導入しながら、ライフラインとしての物流を守りつつ業務を進化させていく取り組みに必死だ。
そんな物流の現場は今、どうなっているのか──。
日本を代表するメーカーの物流子会社を次々にM&Aで招き入れ、幅広いソリューションを持つ「物流業界のメガベンチャー」、SBSグループの現場社員4人に物流業界の課題や現場で起こっていることを聞いた。
物流企業には「トータルプロデュース力」が求められている
SBSホールディングス LT企画部の松木清徳氏。グループ全体のロジスティクステクノロジー分野の取り組みを行っている。
「物流倉庫の場合、『きつい、汚い、危険』という3Kが言われ、ドライバーは、そこに『帰れない』が加わり4Kの問題もあり、物流業界は慢性的な人手不足が続いています。
さらにベテラン社員の高齢化も進み、このままでは業務を回すこと自体が非常に困難な状態に陥っている現場も多いのが現実です」(松木氏)
SBSホールディングスでLT(Logistics Technology:物流技術)を活用した変革に取り組む松木清徳氏は、業界全体の課題をこう話す。
加えて近年、コロナ禍による巣ごもり需要の増加も相まってEC(電子商取引)市場が急拡大。配送の多頻度・小口化が進み、それによる物流の需要増加が止まらない。事業者側のニーズの変化について、SBS東芝ロジスティクスの加藤宏幸氏はこう語る。
SBS東芝ロジスティクス 物流改革推進部で、次世代ロジスティクス技術の導入に携わる加藤宏幸氏。
「近年、物流業務全般を第三者に委託する3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を取り入れる事業者が増えています。
しかし、多極化・複雑化する物流環境の中で、単に物流業務をアウトソーシングするだけでは足りず、経営方針に基づいたロジスティクス戦略の立案や中期的なコンサルティングも求められるようになっています。それが4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)という概念で、私たちが今注力していることです。
今や物流企業には、モノを効率よく運ぶだけではなく、ロジスティクスのトータルプロデュース力が求められているのです」(加藤氏)
「段取り8割」の配送業務を標準化
SBS東芝ロジスティクス 物流改革推進部の小島敏美氏。物流センターへのロボット技術導入支援を担当。
一連のロジスティクス改革にデジタル化やAI活用は欠かせないが、実際に、SBSグループではどんな取り組みを行っているのだろうか。物流センター内へのロボット技術の導入を進めているのが、2020年にSBSグループ入りしたSBS東芝ロジスティクスの小島敏美氏だ。
「自社倉庫内で、2021年3月から『棚搬送ロボット』を導入しています。ロボットが倉庫内を動き回り、作業者がいる場所まで荷物を持ってくる仕組みです。これにより、現場の生産性が2倍強にアップしました。
また別の作業所では、人が目視で行っていた検品処理についても、画像認識の仕組みを用いてデジタル上で検品できるシステムを導入しています」(小島氏)
棚搬送ロボットが作業者の元へ荷物を運ぶ様子。同センターでは、SDGsへの取り組みとして屋上に太陽光パネルを設置。棚搬送ロボットの電力はもちろん物流センター全体の電力をまかなっている。
提供:SBSホールディングス
SBSリコーロジスティクスの竹内悠氏が取り組んでいるのは、配送員が配送ルートを瞬時に作ることができる機能や、昨今増えた置き配での誤配送を防ぐ機能などを盛り込んだ、スマホ端末の現場導入だ。
「配送は『段取りが8割』と言われる仕事です。例えばあの道は◯曜の◯時頃は混んでいるからルートから外すなど、熟練の配車マンの知識や勘は簡単に真似できるものではありません。
ベテランと新人とでは配送の効率性などに大きな差があるのが実情です。そこでデジタル技術を活用し、業務効率を平均化できる一助になればと思っています」(竹内氏)
SBSリコーロジスティクス 経営企画本部の竹内悠氏。輸配送・生産物流分野の業務改革・改善企画から運用までを手掛ける。
これまで作業者の勘や経験に頼っていた業務が、特定の人の力に頼ることなく回るようになることで、例えば外国人や未経験者など働き手の幅を広げることもできるだろう。人手不足解消の一助にも期待されている取り組みだ。
設備投資のリターンを、短期目線で考えてはいけない
物流センター横浜金沢の外観。
提供:SBSホールディングス
「総合物流サービス」を標榜するSBSグループは、物流で生かせるような新しい技術の取り組みや、IT機器の導入、倉庫や大規模物流センターの建設にも積極的だ。直近では、SBSリコーロジスティクスが、神奈川県に地上4階建て延床面積5万3828平方メートルの巨大な「物流センター横浜金沢」を完成させ、2021年10月から稼働している。
このような最新技術の導入や新たな取り組みにはもちろん大きなコストがかかるが、中小規模の会社も多い物流業界では、現状に課題を抱えているものの大きな転換を行えず古くからのやり方を続けている企業も多い。
そこで必須なのが、大胆な経営判断だ。M&Aによりリコーの物流子会社からSBSグループの一員となった竹内氏はこう語る。
「設備投資はすぐにコストが回収されるわけではなく、その効果は中長期的視点でみなければなりません。また目まぐるしく変わる環境下でスピーディーな経営判断も必要です。
その点、SBSグループはベンチャー企業のような攻めの姿勢を常に持っています。私はグループ入りして4年目ですが、同業他社に先行してチャレンジを行い、現場に浸透させていこうとしている姿勢には驚きました。私たちの取り組みを社会全体の価値につなげていきたいですね」(竹内氏)
今こそ「進化」が問われている
提供:SBSホールディングス
戦略的なM&Aを繰り返しながら成長を続けてきたSBSグループ。今後はどんなことに挑戦しようとしているのか。
「今やアパレル企業やメーカーが独自に物流の仕組みを作るなど、物流企業ではないプレイヤーの業界参入も進んでいます。我々のような総合物流企業は真価を問われています。グループ個社の強みを掛け合わせてシナジーを生み出していきたいですね」(松木氏)
「私自身この業界に入るまで、まさかこんなに複雑な仕組みの業種だとは思っていませんでした。物流は『総合格闘技』のようなもの。特定の技術だけではダメで、システム、人、モノの流れが一致して初めて、適切な場所に適切に届けることができる。これからも、現状に満足することなく現場の改革を進めていきます」(加藤氏)
SBSグループについて詳しくはこちら。
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