カナダ、財政赤字予想を下方修正 景気が想定以上に好調

ロイター編集

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［オタワ １４日 ロイター］ - カナダ政府は１４日、２０２１／２２年度の最新財政見通しを発表した。財政赤字は、景気が想定以上に好調なため４月時点の予想額（１５４７億カナダドル）から６．６％下方修正し、１４４５億カナダドルになるとの見通しを示した。新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対応するための新たな予算も計上した。

１２月１４日、カナダ政府は２０２１／２２年度の最新財政見通しを発表した。写真はフリーランド財務相。オタワで１０月撮影（２０２１年 ロイター／Patrick Doyle）

フリーランド財務相は「当初の予算発表時には必要になるかが分からなかった歳出もある」と述べ、「景気は想定以上に好調で、国内経済は底堅さを増している」と説明した。

ただ、トルドー首相率いる与党は今年の総選挙で、住宅や電気自動車（ＥＶ）関連の支援策を含む７８０億カナダドルの財政出動を公約している。これについて詳しい説明はなかったが、エコノミストは来年の早い時期に出る予算に少なくとも一部が盛り込まれると予想している。

スコシア銀行の財政・地方経済部門ディレクター、レベッカ・ヤング氏は財政方針の「方向転換ではなく、一時休止だと理解している」と述べ、選挙で公約した財政支出は今後実現するだろうと予想した。

政府は一方、オミクロン株対策として４５億カナダドル、先月ブリティッシュコロンビア州で発生した洪水の復興予算として５０億カナダドルを計上した。

２０２１年の国内総生産（ＧＤＰ）伸び率は４．６％と、世界的なサプライチェーン（供給網）の混乱を理由に４月予想（５．８％）から下方修正した。２２年と２３年の予想値は上方修正した。

２１年のインフレ率予想は３．３％に引き上げた。２２年は３．１％になると予想している。

フリーランド財務相はインフレとどのように闘うのか問われ、世界的な問題と述べるにとどめた。ただ、インフレは引き続き優先課題だとし、手頃な価格の住宅提供で今後措置を講じると約束した。

選挙公約の新規投資が次回予算に盛り込まれた場合に将来的な赤字予測に影響するかどうかについては、コメントを控えた。

カナダビジネス評議会の幹部は「財政の軌道に関しては現在考えられているよりも課題は大きい可能性がある」と述べた。

政府は２１／２２年度の債務のＧＤＰに対する割合が４８％と見込む。４月予想は５１．２％だった。２６／２７年度は４４％に低下する見通し。

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