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概要:日銀の黒田東彦総裁は15日の衆院予算委員会で、このところ大幅上昇している企業物価指数が直ちに消費者物価指数(CPI)に反映されていくとは思わないと述べた。CPIの水準は「携帯電話通信料引き下げの影響が1.5ポイントあり、実力としては(直近のプラス0.1%より)もう少し上」と指摘した。その上で「様々な経路を経てCPIが2%に近づいていく可能性はある」と述べた。
12月15日、日銀の黒田東彦総裁は衆院予算委員会で、このところ大幅上昇している企業物価指数が直ちに消費者物価指数(CPI)に反映されていくとは思わないと述べた。都内で1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 15日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は15日の衆院予算委員会で、このところ大幅上昇している企業物価指数が直ちに消費者物価指数(CPI)に反映されていくとは思わないと述べた。CPIの水準は「携帯電話通信料引き下げの影響が1.5ポイントあり、実力としては(直近のプラス0.1%より)もう少し上」と指摘した。その上で「様々な経路を経てCPIが2%に近づいていく可能性はある」と述べた。
立憲民主党の階猛委員に対する答弁。
階氏は足元の物価上昇がスタグフレーションでも、現行の大規模金融緩和を継続するのかなどと質問した。黒田総裁は「スタグフレーション的な状況にいまなっているとは思っていない」と述べた。あくまでも経済が成長して企業収益が増え、賃金上昇を伴う形での物価上昇が望ましいとの見解も示し、「金融緩和を粘り強く続けていきたい」と語った。
物価動向を巡っては、岸田文雄首相が6日の所信表明演説で「世界の物価が上昇し、わが国に波及する懸念が強まる」とした上で、「経済を守るためにも、賃上げに向け全力で取り組む」と表明した。政府として物価上昇が消費の下押しとならないよう、春闘で3%の賃上げを経済界に求めている。
政府内で物価上昇は現時点で主要な問題とはなっておらず、日銀が現行の大規模緩和を見直す環境ではない。新型コロナの感染が縮小した後も半導体不足などによる自動車減産などで、日本経済がコロナ禍前の水準を回復する道のりは遠く、財政・金融政策をフル稼働する姿勢に変わりはないとみられている。
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