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概要:14─15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で注目されるのは、ドットチャートで示されるメンバーの政策金利の見通しのタカ派色が強まるかどうかだ。利上げ前倒しの可能性を市場が察知すれば、ドル/円が115円方向に動き出すだろう。その影響は日本の輸入物価の押し上げ、来年4月の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)をいきなり前年比でプラス1%台に上昇させるパワーを持つと予想する。
[東京 10日 ロイター] - 14─15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で注目されるのは、ドットチャートで示されるメンバーの政策金利の見通しのタカ派色が強まるかどうかだ。利上げ前倒しの可能性を市場が察知すれば、ドル/円が115円方向に動き出すだろう。その影響は日本の輸入物価の押し上げ、来年4月の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)をいきなり前年比でプラス1%台に上昇させるパワーを持つと予想する。
12月10日、14─15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で注目されるのは、ドットチャートで示されるメンバーの政策金利の見通しのタカ派色が強まるかどうかだ。都内で1日撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
背景には、米国を中心にした世界的なインフレ懸念の長期化予想があり、日本企業もいよいよ来年に入るとコスト高を価格に転嫁する動きが活発化するのではないか。4月の段階で日銀展望リポートにおける物価見通しが上方シフトされるかもしれない。
<注目されるドットチャート>
ドットチャートは、政策金利であるFFレート(フェデラルファンドレート)がどの位置にあるのか、メンバーの予想をドットで示した分布図。
9月のFOMCでは18人のメンバー中、22年に利上げなしが9人、1回の利上げが6人、2回の利上げが3回だった。この分布が今回、タカ派的な方向にシフトする可能性が高いとマーケットの多数派はみている。筆者も同じ考えだ。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、11月30日の米上院銀行委の証言で「インフレが一過性であるとの表現を削除するのが妥当な時期が来た」と述べ、自らインフレへの懸念を強調した。
その背景には、自動車生産などを落ち込ませてきた半導体不足が早期に解決しそうもないという事情がある。世界の半導体メーカー大手は増産のための設備投資を活発化させているが、半導体不足によって半導体製造装置の増産が思うに任せないという事態も発生。需要と供給が一致する時期は、2022年末にずれ込みそうだとの見方が足元で広がっている。
また、新型コロナウイルスが米国で猛威を振るって以降、高齢者の労働市場への参加率は下がったままで、人出不足の解消が当初の想定のようには進んでおらず、賃金の上昇圧力は緩和するどころか、強まる傾向を示している。
こうした情勢に加え、欧州で感染が広がっている新型変異株のオミクロン株についても、米国での重症者や死亡者は少なく、再び、需要が大きく落ち込む可能性は低下しているとみられている。
以上の要因は、物価を押し上げる方向に作用し、短期的にインフレを沈静化させる可能性が低いことを示している。したがってFOMCのドットチャートは、よりタカ派的な見通しを示すことになるだろう。
<円安加速と物価上昇>
その結果、外為市場では米利上げの織り込みが増し、ドル/円は足元の113円台から節目の115円を目指してドル買いが優勢になると予想する。115円付近では売り買いが交錯しそうだが、日銀の引き締め方向への政策変更なしは「世界的な合意事項」と市場では見なされているので、日米金利差の拡大を材料にドル高・円安は年明けに一段と進む可能性が高まりそうだ。
この円安は、世界的な原材料価格の高騰という状況の中では、日本企業にとって大幅なコストアップ要因となる。
10日に日銀が発表した11月企業物価によると、輸入物価は契約通貨ベースで前年比35.7%の上昇だった。ところが、円ベースでは同44.3%増だった。この差は、大枠では円安の進行がもたらしたと言える。
円安が年明けも進行し、チャート上の節目である118円後半に接近した場合、世界的なインフレ懸念の動向によっては120円を目指す動きになる可能性も否定できないだろう。
そこで何が起きるのか──。輸入原材料のコストが円安で一段と膨張すれば、メーカーは販売価格に転嫁せざるを得なくなる。特に食料品では、メーカーの値上げが小売価格の引き上げに直結するケースが多く、すでに11月から家庭用冷凍食品や食用油などの値上げが実施されている。
また、電気、ガス料金も値上げされ、円安が継続すれば年明けの追加値上げの可能性も高まる。エネルギーコストの上昇は、幅広い産業でのコストアップ要因となり、いずれ最終消費財の値上げにつながりやすくなる。
<政府の賃上げ要請、物価上昇予見か>
ここで10月の全国消費者物価指数をみてほしい。総合は前年比プラス0.1%、コアが同0.1%だった。だが、携帯電話料金の値下げが物価を1.47%押し下げており、この特殊要因がなければ、CPIは1.5%前後の上昇だったことになる。
来年4月には、携帯電話料金の値下げ効果がはく落するため、CPIが不連続に上昇する可能性が高い。4月はその特殊要因効果が1%程度だとみられるが、夏場には物価を1.5%押し上げることになっているだろう。
その時に円安が進行して120円に接近しているようなら、企業によるコスト圧縮努力は限界を超え、価格転嫁が一斉に始まっている展開もあり得る。横並び意識が依然として強い日本企業は、どこかの社が値上げして売り上げへの影響が軽微とわかれば、相次いで値上げする「ドミノ現象」を生み出す体質を内包している。
黒田東彦日銀総裁の下で、最もCPIが上昇したのは2014年に経験した1.5%(消費増税分を除く)。2022年はこの「記録」を更新する可能性がある。そして、目標である2%にタッチすることもあり得そうだ。
このため、世界のインフレ動向に緩和の兆しが見えない場合、日銀が来年4月の展望リポートで物価見通しを上方にシフトする展開もあると予想する。
だが、それは岸田文雄首相にとっては、手放しで喜べない事態かもしれない。賃金が上がらない中で物価が2%近くまで上昇すれば、実質的な購買力が減少し、国民の広い範囲で「値上げ反対」のコールが起きかねないからだ。
だから、岸田首相は先回りして「3%の賃上げをお願いします」と産業界の首脳にお願いしているのではないかと筆者は推測する。
米国発のインフレ高進は、円安というルートを通じ、岩盤だった日本の物価にひび割れを起こし、日本の財政・金融政策に大きな「力」をかける可能性もある。2022年という未来から、大きな地殻変動の「地響き」が聞こえてきそうだ。
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