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概要:ネスレやクリスピー・クリームといった企業は、従業員の給料を上げ、サプライチェーン・コストを商品価格に転嫁しました。彼らは、消費者の行動に変化はなかったと述べています。
クリスピー・クリームのCFOは、2021年9月に実施した値上げは、売り上げに大きな影響を与えていないと述べた。
Photo Illustration by Scott Olson/Getty Images
企業がスタッフの賃金を引き上げたことによって商品の価格が上がっても、客は気にしていないように見える。
ネスレやチポトレなどの企業は、賃金の上昇やコストの増加によって価格を引き上げている。
P&GのCFOは「消費者からの重大な反応は見られなかった」と述べている。
従業員の賃金を上げて価格に反映すると客足が遠のく、と言う企業もある。しかし、実際には客はそのことを気にしていないようだ。
アメリカでは、記録的な数のアメリカ人が仕事を辞め、深刻な労働力不足に陥っている。企業の中には、賃金を上げれば労働者が増えるが、価格も上げなければならないため、賃金の引き上げの導入をためらうところもある。売り上げに影響が出てしまうというのだ。
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バージニア州にある小さな清掃会社のオーナーは、従業員の多くの手当を支払えば、経費を賄うだけの利益が得られなくなってしまう可能性があると話している。ファーストフード店チェッカーズ(Checkers)の加盟店経営者は、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)に、賃金を14ドル(約1590円)か15ドル(約1700円)に引き上げれば店に十分な人員を配置できるが、メニューの価格を上げなければならず客足が遠のく恐れがあると語っている。そこで彼女は、代わりに自動ドライブスルーを導入したという。
また、マクドナルドの元CEOエド・レンシ(Ed Rensi)も、賃上げによって企業が破たんする可能性があると警告している。
しかし、ネスレ(Nestlé)やクリスピー・クリーム(Krispy Kreme)などの企業は、賃金の上昇とサプライチェーン全体のコスト上昇を相殺するために商品の値上げを行っており、購買行動には影響が出ていないと述べている。
消費財大手のP&Gは、これまでに10の製品カテゴリーのうち9つのカテゴリーで値上げを発表しており、最高財務責任者(CFO)のアンドレ・シュルテン(Andre Schulten)によると、値上げ幅はおおむね5%前後だという。しかしシュルテンは2021年10月、投資家に対し、P&Gの売上は今のところ値上げの影響を受けていないと述べている。
「消費者からの大きな反応は見られていない。だから、我々の相対的な立場は良いのだと思っている」とシュルテンは話している。
ネスレも商品の値上げをしている。同社のCFO、フランソワ‐グザビエ・ロジェ(François-Xavier Roger)は2021年10月、インフレにより2021年の売上原価は約4%上昇するとの見通しを示した。
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彼はネスレの販売量減少は価格変更とは関係ないと投資家に説明している。また、「インフレのために消費者が買いだめをしているという証拠は見当たらない」と語った。
また、2021年の夏に約4%の値上げをしたファストフードチェーンのチポトレ(Chipotle)は、第3四半期(7月から9月)の売上高が20億ドル(約2274億円)となり、2020年同期の15.8億ドル(1822億円)、2019年同期の14億ドル(約1615億円)を上回った。
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