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概要:日経平均は3日ぶり反発。 214.99円高の28498.91円(出来高概算6億2116万株)で前場の取引を終えている。 29日の米株式市場でNYダウは236.60ドル高(+0.68%)と反発。 先週の
日経平均は3日ぶり反発。
214.99円高の28498.91円(出来高概算6億2116万株)で前場の取引を終えている。
29日の米株式市場でNYダウは236.60ドル高(+0.68%)と反発。
先週の下げが行き過ぎとの見方から寄り付き後、買戻しが先行。
また、バイデン大統領が新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株について懸念材料であってもパニックに陥る必要はないと冷静な行動を呼びかけ、経済封鎖の必要性を否定すると、警戒感が後退し、上げ幅を拡大した。
一方、米長期金利の上昇は限定的で、特にハイテク株に旺盛な押し目買いが入り、ナスダック総合指数は+1.87%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は+4.08%と大幅に反発した。
先週末に+10.04の28.62と急騰していた、株価変動率を表す別名「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は22.96まで低下した。
オミクロン株を巡る過度な不安心理の後退や米ハイテク株の大幅反発を引き継ぎ、本日の日経平均は327.81円高の28611.73円でスタート。
指数寄与度の大きい半導体関連株を中心に買いが入り、寄り付き直後に28718.70円の高値を付けた。
ただ、その後は騰勢一服で、100円程の値幅でのもみ合いが継続。
前引けにかけては大きく失速し、
28500円を割り込んで前場を終えた。
個別では、SOX指数高を追い風にレーザーテック (T:6920)、東エレク (T:8035)、アドバンテスト (T:6857)、ルネサス (T:6723)、SUMCO (T:3436)などの半導体関連株が大幅高。
ソニーG
(T:6758)、キーエンス (T:6861)、日本電産 (T:6594)、イビデン (T:4062)といったハイテク株も大きく上昇し、リクルートHD (T:6098)、信越化 (T:4063)などグロース(成長)株の一角も堅調。
JAL (T:9201)、JR東 (T:9020)、エアトリ (T:6191)などの旅行関連株も高い。
円高・ドル安の一服感からトヨタ自 (T:7203)やホンダ (T:7267)も買われている。
国内証券による格上げ観測のあった日本電子 (T:6951)は半導体株高の波にも乗り急伸。
同様に国内証券の格上げ観測を材料にマネックスG (T:8698)が急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出している。
一方、前日に大きく買われた任天堂 (T:7974)やエムスリー (T:2413)が軟調で、自動車の中でも日産自 (T:7201)やマツダ (T:7261)は下落。
そのほか、NTT (T:9432)やKDDI (T:9433)、塩野義製薬 (T:4507)といったディフェンシブ系の銘柄が安い。
また、景気敏感株の中では日本製鉄 (T:5401)やJFE (T:5411)などの鉄鋼株が独り負けのような形になっている。
東証1部下落率上位には、株式売出などによる需給悪化懸念が台頭したLINK&M (T:2170)
が、新株発行などによる希薄化懸念で売られたギフティ (T:4449)などと共に並んでいる。
セクターでは陸運業、鉱業、水産・農林業などが上昇率上位となっている一方、医薬品と鉄鋼の2業種のみが下落となっている。
東証1部の値上がり銘柄は全体の82%、対して値下がり銘柄は15%となっている。
日経平均は反発したものの、先週末から前日にかけて1200円程も下落していただけに、自律反発の域を出ていない。
前日は、一時プラス圏に浮上するなど想定以上の底堅さを見せた前場から一変、後場には一転してずるずると下げ、結局、467.70円安という後味の悪い引け方をしていた。
本日も反発しているはいるが、チャートでは、75日、200日の両移動平均線より大きく下方に位置しており、週足では、昨年夏場以降、長らく下値支持線として機能してきた52週移動平均線を依然として下回ったままだ。
オミクロン株を巡る情勢を含め、テクニカル的にも、状況が著しく好転したとは言えず、油断はできないだろう。
また、やや気掛かりなのは前引けにかけて下落に転じるなど相対的に見劣りしたマザーズ指数。
前日は3%近くと特に大きく下落していたため、前日の米ハイテク株高を追い風に、力強い戻りを見せると思われたが、日経平均やTOPIXを大きく下回るパフォーマンスとなっている。
SOX指数高を背景に半導体関連株などに物色が向かっていることを考慮すれば、頷ける面もあるが、個人投資家の含み損益が一段と悪化している可能性も推察される。
他方、オミクロン株の話題が上がる前に市場で話題だった米国での金融政策を巡る動きについてだが、前日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がオミクロン株について初めて見解を示した。
パウエル議長は、足元の新型コロナ感染の増加とオミクロン株の発生は雇用と経済活動に下振れリスクとなるとともに、インフレ動向を巡る不確実性の高まりをもたらしたと指摘した。
また、ウイルスに関する動向次第では対面での勤務意欲がそがれ、労働市場の前進が遅れることに懸念を示したという。
このほか、インフレ動向に関しては、FRBを含むほとんどの経済予測担当者が、需給不均衡の解消に伴いインフレ率が来年にかけて大幅に鈍化すると引き続き予想していると言及した。
一方で、インフレ率を押し上げている一過性と思われる諸要因は、来年まで続く可能性があると示唆したようだ。
種々の発言をみる限り、インフレに対しては依然として「一時的」「一過性要因に基づくもの」との従来姿勢の維持を窺わせた一方、オミクロン株についてはそれなりの警戒感を抱いている様子。
あくまで推測だが、こうした発言や見解を踏まえると、1
2月14日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和縮小(テーパリング)加速などに関する早期金融引き締め懸念は後退した可能性が高いとみられる。
むろん、今週末に発表される12月米雇用統計の結果次第では、見方はまた変わるであろうし、12月のFOMCでは、FRBメンバーによる経済見通しやドットチャート(政策金利見通し)が公表されるため、内容次第では、再び金融引き締め懸念が台頭する可能性もあろう。
ただ、前日の米国市場でハイテク中心とはいえ株式が大きく反発し、VIX指数が大きく低下するなかでも、米長期金利がほとんど上昇しなかったのには、こうした金融引き締め懸念の後退を強く映しているような印象も抱く。
油断は禁物だが、一時揺らいだハイテク株高への期待は案外息の長いものとなるかもしれない。
さて、本日はMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が12日に発表したスタンダード・インデックスの定期入れ替えが行われる。
日本株の新規採用は2銘柄、除外は15銘柄で、指数に反映される本日の終値を基準に日本の株式市場から約2200億円の資金が流出すると言われている。
ただ、入れ替え実施後はこうした需給面での懸念が後退する。
足元、企業の中間配当を受けた機関投資家の再投資と共に日本株のあく抜け上昇につながるとの見方もあり、外部環境次第ではあるが、明日以降、ハイテク株高のけん引役にも期待しつつ、日経平均の29000円回復を期待したい。
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