ツイッター、トランプ氏個人アカウント永久停止－暴力扇動の危険

米ツイッターは８日、暴力賛美を禁止する規則に違反したとして、トランプ米大統領の個人アカウント「 @realDonaldTrump」を永久停止したと発表した。トランプ氏にとって、支持者に直接訴えるソーシャルメディア手段として好んで用いてきたツイッターとの関係が絶たれることを意味する。

ツイッターはブログで、「@realDonaldTrumpアカウントからの最近のツイートとその文脈、特にツイッターの中と外でどのように受け止められ、解釈されているかについて入念に検証した結果、暴力をさらに扇動するリスクがあることからアカウントを恒久的に停止した」と説明した。

トランプ氏はこの日、「私と『米国第一』『米国を再び偉大に」に投票した7500万人の偉大な愛国者らは、ずっと先の将来まで巨大な発言力を持ち続けるだろう。彼らはどのような形であれ、見下されたり不当に扱われることはない」とツイート。ツイッターはこれについて、大統領選での勝利を信じる人々を引き続き後押しし、力づける同氏の意図を反映していると指摘した。

ツイッターは６日、大統領選の結果についてユーザーの判断を惑わせ、支持者による米議会への乱入を促すように思われた一連の投稿を理由にトランプ氏のアカウントを一時凍結していた。同社の株価は８日の米株市場の通常取引終了後の時間外取引で、一時約3.8％下落した。

After close review of recent Tweets from the @realDonaldTrump account and the context around them we have permanently suspended the account due to the risk of further incitement of violence.https://t.co/CBpE1I6j8Y

— Twitter Safety (@TwitterSafety) January 8, 2021

個人アカウントの永久停止の発表を受け、トランプ氏は、他のソーシャルプラットフォームと協議しており、自分独自のプラットフォームを構築する可能性があると米大統領の公式アカウントからツイートした。

トランプ氏は「われわれは沈黙させられない。このまま目を離さないでほしい」と訴えた。ツイッターの広報担当者はこれより先、同氏が大統領の公式アカウントという迂回（うかい）手段を用いる場合には、バイデン次期大統領に引き継がれるまでの間、その利用を制限するかもしれないとしていた。

大統領の公式アカウントからのトランプ氏の直近のツイートは削除されたという。