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概要:Liam Proud [ロンドン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界金融危機(リーマン・ショック)の記憶は拭い去り難いが、欧州の主要銀行は当時よりずっと大きなショックを吸収できる態勢で今回の危機を迎えた。Breakingviewsの試算によると、2009年のような不良債権の急増をほぼ3回乗り越えられるほどの資本を備えている。 銀行は今、四方八方から圧力にさらされている。大手の顧客は融資枠の資金を引き出しているし、政府からは消費者と中小企業を
Liam Proud
[ロンドン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界金融危機(リーマン・ショック)の記憶は拭い去り難いが、欧州の主要銀行は当時よりずっと大きなショックを吸収できる態勢で今回の危機を迎えた。Breakingviewsの試算によると、2009年のような不良債権の急増をほぼ3回乗り越えられるほどの資本を備えている。
銀行は今、四方八方から圧力にさらされている。大手の顧客は融資枠の資金を引き出しているし、政府からは消費者と中小企業を助けるよう求められている。
つまり高リスク資産が増えるということだ。ゼロ金利政策と顧客への返済猶予により、収入は打撃を被っている。顧客は苦境にあるため、不良債権処理のコストが今後増えるだろう。
投資家の懸念を反映し、欧州上位25行の株式時価総額は、平均41%吹き飛んだ。恐れているのは、自己資本比率が低下して再び株式の新規発行を迫られたり、ひいては政府に救済を仰ぐ必要が出てくることだ。
しかし、そうした見方は悲観的すぎる。英HSBC(HSBA.L)(0005.HK)からオーストリアのエルステ(ERST.VI)に至る25行は、昨年末時点の中核的自己資本(Tier1)比率が平均14.3%だった。監督当局による猶予措置を考慮に入れると、これは規制で定められた最低比率の平均を約4%ポイント上回る。大半の銀行はまた、配当の支払いを見送ってキャッシュを保全している。
銀行の保有するリスク性資産が今年10%も増え、第1・四半期末の米銀並みになると仮定しよう。次に2020年の利益が、貸倒引当金を勘案する前のベースで10%減少すると想定する。
このシナリオでは、銀行の資本バッファーは昨年末の総貸出残高の平均4.1%相当となるだろう。これなら不良債権の急増に耐えられる。欧州銀が09年に不良債権処理をしたのは貸出残高の平均1.4%だ。その約3倍のバッファーがある。
しかし、平均はそうでも、銀行ごとの実態にはばらつきがある。ドイツ銀行(DBKGn.DE)で融資の1.9%が不良債権化すれば、同行はいわゆる「資本保全バッファー」に手を付ける必要が生じ、当局は同行に株主還元の中止や資産売却を命じることができる。
一方、融資残高が比較的小さいフランスのナティクシス(CNAT.PA)の場合、融資の8.5%が不良債権化するまでそうした状態に陥ることはない。
リスク性資産が20%増え、貸倒引当金勘案前のベースで利益が20%減るという、より厳しいシナリオでも、ドイツ銀を除くすべての銀行は融資残高の1.4%超に相当する資本バッファーが備わっているはずだ。欧州銀の防御壁は高く、頼もしい。
●背景となるニュース
*HSBC、UBS、ドイツ銀行、バークレイズなどの欧州銀は27日からの週に四半期決算を発表する。
*ドイツ銀は26日、第1・四半期の利益がアナリスト予想を超える6600万ユーロになるとの見通しを示した。ただ、Tier1比率が「一時的かつ小幅に」12.5%の目標を下回る可能性はあるとしている。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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