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概要:NTTドコモは2019年度第3四半期決算を発表。新料金プランの影響の他、同社のキャッシュレス・共通ポイント事業の直近の動きも明らかになった。
NTTドコモの2019年度第3四半期の決算が明らかになった。
撮影:小山安博
NTTドコモは1月30日、2019年度第3四半期の決算を発表した。売上高に相当する営業収益は前年同期比3.8%減の3兆5160億3700万円、営業利益は同12.7%減の7878億5100万円、最終利益は同10.7%減の5423億1300万円の減収減益だった。
スマートフォンの新料金プラン拡大による顧客還元が影響したが、同社の吉澤和弘社長は、通期予想に対しては順調という認識を示し、目標達成に自信を見せる。
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通信事業は「新料金プラン」が影響
NTTドコモの代表取締役社長・吉澤和弘氏。
撮影:小山安博
本業の通信事業は、還元の影響で減収減益となった。通信事業単体の営業収益は2兆8059億円、営業利益は6514億円。それぞれ2000億円、1000億円というマイナス幅だ。
一方、コンテンツや決済・金融、法人などの事業を含むスマートライフ領域は、それぞれ7328億円、1364億円で増収増益となっている。
2019年度の第3四半期のセグメント別実績。
撮影:小山安博
NTTドコモは新料金プランとなる「ギガホ」「ギガライト」を提供しており、2019年10月の改正電気通信事業法の施行以降も、新料金プランへの移行を促進してきた。2019年末時点で1114万契約を突破。1月18日には1200万を突破して、年度末の目標1700万契約に向けて順調な推移といえる。
新料金プラン拡大にともない、通信サービス収入が688億円の減少。端末販売数の減少で費用も減ったが、トータルでは242億円のマイナス。こうした収益減が響いた。
撮影:小山安博
新料金プランは、政府が求めた携帯料金4割削減を受けての料金プランのため、契約者が増えるほどにNTTドコモの収益は悪化する。同社では2000億円規模の顧客還元としており、契約数の拡大による減収減益は織り込み済みだとする。
それでも、新料金プラン契約者がよりデータ量の多いプランを契約するアップセルや他社からの乗り換えユーザーの獲得を目指して、キャンペーン攻勢を打ち出していく。
現在も、「Amazonプライム」「Disney DELUXE」との組み合わせキャンペーンを展開。「新料金プランへのさらなる移行促進を図り、顧客基盤を強化したい」(吉澤社長)考えだ。
携帯電話の契約数は拡大し、解約率も低水準を維持。
撮影:小山安博
新料金プランは順調に拡大している。
撮影:小山安博
リクルートとも提携、共通ポイントでも業界再編の動き
リクルートとの提携では、ID連携によるポイント会員基盤の強化に加え、マーケティング分野での協業も検討。中小個店向けには、mPOSサービスのAirレジなどでの協業も強化する。
撮影:小山安博
KDDIの「au WALLETポイント」と「Ponta」の統合で、共通ポイントの競争も激化している。
dポイントの利用は同23%増の1459億ポイントに拡大。提携先での利用は59%増の864億ポイントとなり、dポイント提携先も同1.8倍の686カ所まで増加した。
こうした中、リクルートと業務提携し、リクルートIDとdアカウントを連携させ、リクルートのサービス利用でdポイントが貯まるようにする。両社のアカウントから得られる情報をマーケティングデータに生かす協業も検討。dポイント会員基盤の強化につなげたい考えだ。
5Gはスモールスタートとなるか
現時点では5Gプレサービスとしてパートナーと協業して5Gソリューションの創出を目指している。「5Gソリューションによる社会の成長に貢献していきたい」と吉澤社長。
撮影:小山安博
現時点でも「今春開始」と明確にスタート時期が明らかにされていない5Gサービスについては、まずは小さな範囲でのスタートとなる見込みを示し、「エリアは使える距点の数を示すことになる」という。6月には全都道府県で5Gが使えるようになるが、場所によっては1、2カ所程度しか開通しない都道府県もありえるようだ。
とはいえ、「通信速度はもともと考えていた仕様にかなり近づいており、しっかりとした品質のものでスタートしたい」と吉澤社長。5Gらしい高速大容量低遅延のネットワークを実現したい考えだ。
通信料金に関しては、「アンリミテッド(無制限)も選択肢の1つ」と吉澤社長。5Gは技術革新によって1ビットあたりの単価が4Gよりも安価になっており、「4Gに比べて通信料金が大幅に高くなるということにはならない」(同)という考えを示した。
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